摺上原古戦場跡 ~奥州の覇権を争った決戦場

■概要

伊達輝宗より米沢の家督を継いだ政宗は、積極的な領土拡大政策をとったために周辺大名より疎まれ、父輝宗を畠山義継によって殺害され、それを好機と見た佐竹連合軍の大軍に攻め寄せられるなど、孤立無援の状態にあった。かわって南の隣国である会津の蘆名氏は相次いで当主を亡くし、やむなく周辺国より養子を迎えることとするが、伊達政宗の弟・小次郎を推す派閥と、佐竹義重の次男・義広を推す派閥に分かれていた。会津の北の入り口に位置する猪苗代城の隠居であった猪苗代盛国は小次郎を推していたが、佐竹義広が新当主として迎えられることになると、猪苗代城を占拠し、伊達家に寝返ってしまう。

政宗は領内の兵をかき集めて会津を制圧すべく南下したが、相馬の参戦を阻止するために突如北上して相馬領の支城を落として目的を達成すると、再び南下し猪苗代城に入った。

蘆名氏は黒川城に若干の兵を残して1万8千の兵で猪苗代城の西側に位置する高森山に本陣を張り、その後猪苗代の民家に放火して回った、それを見た政宗は2万3千の兵で猪苗代城を出陣し、摺上原の地で両軍は激突する。

2017-10-15_20h33_17

当初、砂塵が舞う摺上原は西から東に風が吹いていたことにより、蘆名軍が有利に戦闘を進めるが、風向きが逆に変わったと同時に伊達軍に反撃されることとなる。もともと養子を迎えたこともあり求心力に欠けていた蘆名軍は、当主を助けず傍観する隊が多く、こてんぱんにやられて敗走することに。さらに蘆名本隊は、傍観をきめこんで先に逃げた味方の隊により、摺上原と黒川城との間に流れる日橋川の橋を切って落とされており、逃げ場を失って壊滅する結果となる。

摺上原の戦い後、政宗は陸奥・会津を押さえ名実ともに奥州の覇者となるが、後にこの合戦自体が天下人・豊臣秀吉による惣無事令に反していたということで、会津領はあえなく没収されるという悲しい結果になる。

■見どころ

磐梯山麓が背後にそびえ立つ猪苗代湖畔にある。

合戦地としての跡地解説などは無いが、摺上原の戦いにおいて当主蘆名義広の危険を救うために戦死した蘆名氏の家臣三名(金上盛備・佐瀬種常・佐瀬常雄)の忠誠心を後世に伝えるために建てられた石碑「三忠碑」が建てられている。

ぜひ、大河ドラマ「独眼竜政宗」の20話「決戦、摺上原」を見てから訪問すると感動もひとしおである。場所がわかりにくいので、一番下に掲載しているGoogleマップを参考に訪問されたい(道沿いに走っていると三忠碑の看板出てくる。駐車場などは無いので路肩に車を停めて行くしかない(そんなに時間は掛からない))。

<三忠碑>
DSC_0313

DSC_1629

DSC_1630

<摺上原古戦場跡>
DSC_1631

DSC_1627

■あわせて巡りたい

黒川城(会津若松城)(日本百名城No.12)
  政宗が制圧を目指した蘆名氏の本城

■事前学習推奨コンテンツ

・NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」(主演:渡辺謙)
いわずとしれた大河ドラマの視聴率歴代トップ(42%)の化け物ドラマ。
奥州の暴れん坊・伊達政宗の波乱万丈の人生を一通り見ることができる。
第20話が「決戦、摺上原」ですが、合戦に至るまでの事前の駆け引きも含め、ぜひ1話から見ておきたい。



■施設データ

  • 施設名       摺上原古戦場跡(三忠碑)
  • 訪問日       2017年8月22日(火)
  • 住所        福島県耶麻郡猪苗代町長田
  • 電話番号      055-278-1669(甲斐市役所)
  • 公式HP      猪苗代観光協会公式HP
  • 入場料       無料
  • 駐車場       無し(路駐しか無い)
  • 所要時間      30分程度
  • 注意点       特に無し
■管理人の勝手な評価

~歴史スポットとして~
  • 歴史に浸れる度   ★★☆☆☆(大河を見ていけば思いを馳せられるはず)
  • 他では見れない度  ★☆☆☆☆(特筆すべきものはありません)
  • 総合評価      ★★☆☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★☆☆☆(場所が分かりにくいです。インターからも遠し)
  • 分かりやすさ度   ★☆☆☆☆(解説、案内は充実していません)
  • 景観度       ★☆☆☆☆(ただの林です)
  • 女性と行ける度   ★☆☆☆☆(本当にただの林です)
  • 総合評価      ★☆☆☆☆

コメント

  1. 鷲谷 壮介 より:

    初めまして、鷲谷と申します!
    この度摺上原の戦いについての記事を書かせていただいたのですが、その際にこちらの記事を参考にさせていただきました。
    人取橋から摺上原への流れを詳しく書かれているので、とても参考になりました。
    航空写真を使われているのも臨場感があり、よかったです。
    それと、誠に勝手ながら自ブログにてこちらの記事のリンクを貼らせていただいたので、ぜひ遊びにいらしてください!
    http://washiya.sapolog.com/e488827.html

タイトルとURLをコピーしました