概要
南北朝時代に日向の名家である土持氏が築城したお城です。飫肥の町は、品質の高い木材として知られる「飫肥杉」の産地と、河川舟運に適した酒谷川が隣接した要地で、飫肥城は酒谷川を天然の堀として、シラス台地(火山の噴出物が積もってできた台地)の上に築城された平山城です。
土持氏は同じ日向の国の有力者である伊東氏との争いに敗れたことで、島津氏の勢力下に吸収され、戦国時代に伊東家当主・祐国が飫肥城に侵攻した際に戦死すると、逆恨みを恐れた島津氏は、飫肥城主を土持氏から新納氏に変更します。
それでも祐国の孫・伊東義祐は飫肥城への侵攻を続けついに奪回しますが、伊東氏が木崎原の戦いで島津氏に敗れて衰退すると再び島津氏に奪回されます。
しかし、義祐の子・伊東祐兵は、豊臣秀吉に接近し、秀吉が九州征伐で島津氏を降伏させたことにより再び飫肥城主に返り咲きます。その後、伊東氏は関ヶ原の戦いでも東軍についたことで飫肥の地を安堵され、廃藩置県で飫肥藩が廃止されるまで続きます。
伊東氏と島津氏の飫肥城争奪戦は100年以上続きましたが、最終的には伊東氏が勝利して終わりました。
見どころ
城の本来の機能からは外れますが、なんといっても飫肥杉が生い茂った旧本丸(いやしの森)です。
ここにいるだけで日ごろの疲れが癒されます。
基本的に城は戦いの場ですので、癒されるお城というのは全国的に珍しいのではないでしょうか?
苔好きな戦国ファンの皆さんにもおすすめです。
飫肥の城下町も小さくまとまっていますが、観光客も少なく風情があってオススメです。
写真&散策記
九州転勤になってから長らくブログの更新が止まっていたのですが、我が家のブログ上司に督促されて再び城めぐり&ブログ更新を再開しました。サラリーマンは会社でも家でも大変です。
飫肥城は陸の孤島で有名な宮崎県のさらに南の「日南市」という市にあります。
(引用元:日南市HP)
県外の人が来るのはかなり大変でしょう。
正直、日南市には飫肥城以外は何もありません。
あ、日南市と宮崎市をつなぐ日南フェニックスロードというのは、ドライブ道として一応有名です。
フェニックスロードの途中にある謎のモアイ像が一応、日南市の名物でしょうか?
正直、なぜモアイ像?なのか全く意味が分かりません。
もう一つ、管理人夫婦としてはイチオシのスポット(イベント)があったのですが、後述します。
(引用元:サンメッセ日南HP)
気を取り直して、まずは公式駐車場に車を停めて散策スタートです。
城下町はこのようになっております。
小ぢんまりとしていて散策しやすいです。
すぐに大手門が見えてきます。
当時は酒谷川を引き込んでいたと思われるお堀。
城門をくぐると桝形虎口になっています。
鉄砲狭間から狙われています。
虎口を抜けていきます。向こうに歴史資料館の屋根が見えます。
飫肥の町の規模からすると相当立派な造りのお城ではないでしょうか!?
本丸の中に飫肥小学校があります。児童たちが野球の練習をしてました。
城跡の中だと子供たちも落ち着かないでしょうと言いたいところですが、飫肥城の観光客数だと心配なさそうです。
本丸にある資料館へ。
二条城をイメージした唐破風造りです。
戦国時代の島津氏と伊東氏の戦いがテーマです。
九州最強の島津氏が取り上げられるとワクワクしますね。
宮崎県の外れまで来た甲斐があったというものです。
伊東氏の家紋。こういうところは日南市はなかなかセンスが良いです。
告知をベタベタ貼らないと尚よいですが・・・
最近よくあるAR(拡張現実)を使った展示。
地形のデコボコも再現されていて分かりやすいです。
秀吉へのロビー活動により飫肥城主に返り咲いた伊東祐兵肖像画と甲冑です。
そして、珍しく館内写真撮影可の資料館です。
ありがたやありがたや。
火薬入れや胴乱、十文字槍など戦国ファンならワクワクするであろう品物が展示されています。
伊東家の軍神として称えられた山田匡得の甲冑と空穂(矢が濡れないように入れておくための筒)です。
なかなか見ごたえのある資料館でした。
いよいよ本日のメインの飫肥城旧本丸跡へ向かいます。
旧本丸虎口です。
苔がむした石垣がラピュタのようでとても良いです。
「いやしの森」と呼ばれる本丸跡に到着です。
かなりのマイナスイオンが出ております。
十分に癒されたので搦手門(裏門)から外に出てみます。
外はまた野球場でしたので、戻ります。
本丸搦手門の正面から。
瓦には伊東家の家紋が使われています。
旧本丸を出て次は松尾丸へ向かいます。
松尾丸です。
昭和54年に再建された御殿です。
再建ではなく江戸時代に造られた一般的な御殿を参考に建築された建物です。
本丸資料館を通って行きとは別の出口から本丸の外へ出ます。
奥に見えるのが歴史資料館。
本丸櫓です。
今は鐘楼になっています。
小学生がふざけて突くこと間違いなさそうです。
飫肥城を出て、今度は城下町を散策します。
人が少なくて気持ちが良いです。
小村寿太郎生家です。
戦国ファンとしてはあまり興味がないのでパス。
ブログ上司が「小村寿太郎って誰?」って言ってました。
ご本人には申し訳ないですが、我が家ではそのレベルの扱いです。
ランチは日南バーガーと悩みましたが、城下の服部亭へ。
城下町が見下ろせる見事な庭園のあるお店です。
少々お高めですが、飫肥に来られた際はオススメです。
見事なボリュームと内容です。
中央が「飫肥寿司」です。
お腹も満たされたので再び城下町散策。
旧藩校の振徳堂です。こちらも中には入ってません。。
用水路に鯉が泳いでいるのはとても風流でよいです。
日南市が広島東洋カープのキャンプ地なので、鯉を放しているようです。
エサも売ってますが、エサをやるふりだけでいっぱい寄ってきます。
いきなりですが、カープつながりで日南市にある広島東洋カープのキャンプ地「天福球場」へ来ました!
今日はなんとフェニックスリーグが行われているので、管理人夫婦が愛する阪神タイガースの試合を見ることができるのです!プロ野球は現代の戦(いくさ)といえるでしょう。
しかも本日はなんと伝統の一戦 阪神×巨人が行われています!
岡田・和田体制になってからびっくりするぐらいチームの雰囲気が暗かったですが、ウサギを粉砕したのでまぁよしとします。
これにて散策終了!
日南フェニックスロードを通って宮崎市内へ。
夜はチキン南蛮発祥の店「おぐら」を食して帰りました。
公式パンフレット
城データ
- 城名 飫肥城<日本百名城No.96>
- 種別 平山城
- 登城日 2022年10月29日(土)
- 住所 宮崎県日南市飫肥10丁目
- 電話番号 0987-25-1905(小村寿太郎記念館/総合窓口)
- スタンプ設置場所 飫肥城歴史資料館(本丸内)
- 公式HP 日南市観光協会HP
- 入場料 無料(歴史資料館は大人300円)
- 駐車場 無料
- 所要時間の目安 1時間10分程度
- 混雑度 小
- 注意点 特になし
※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。
管理人の勝手な評価
~城として~
- 難攻不落度 ★★★☆☆(島津と伊東が何度も入れ替わっているので落としやすい?)
- 歴史に浸れる度 ★★★☆☆(城下町を含めて歴史に浸れます)
- 他では見れない度 ★★★★★(本丸の飫肥杉は圧巻です)
- 総合評価 ★★★★☆
~行楽地として~
- アクセス性 ★☆☆☆☆☆(陸の孤島のさらに陸の孤島です)
- 登城のしやすさ度 ★★★★★(平山城ですが何の苦もありません)
- 分かりやすさ度 ★★★★☆(解説も豊富で分かりやすいです)
- 景観度 ★★★★★(旧本丸が素晴らしい)
- 女性と行ける度 ★★★★★(日南海岸ドライブとセットでどうぞ)
- 総合評価 ★★★★☆
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