佐賀城 ~「肥前の熊」龍造寺氏の居城を原点とする城

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概要

もともとは、戦国時代に「肥前の熊」と恐れられた戦国大名龍造寺隆信をはじめとする龍造寺家が居城とした村中城がありましたが、江戸時代に佐賀藩藩主であった鍋島氏により佐賀城として整備されました。

佐賀城は典型的な平城ですが、敵から攻撃されたときは近隣の川の水を堀に引き込んで意図的に城の周りを水没させて敵の侵入を防ぐ仕組みが取り入れられていたことから、別名「沈み城」とも呼ばれていました。

現在も当時の外堀がほとんど残っていて、城内には本丸跡に佐賀城公園が整備されているほか、二ノ丸だった部分に、県庁・合同庁舎・NHK・図書館・美術館・博物館・学校といった公的施設が詰まっていて、佐賀県の政治経済の中心地になっています。(当時の村中城は県立高校のあたりにありました)

写真&散策記

佐賀城公園の駐車場はなんと無料です。
前にも述べたように、ここは佐賀の政治経済の中心地ですが、佐賀城は駐車場・入園料ともに無料という太っ腹ぶりです。さすが「出れるけど入られない」で有名な佐賀県の中心地・・・!

藩主・鍋島直正像

駐車場に車を停めると、まずは藩主・鍋島直正がお出迎えです。
鍋島直正は第10代佐賀藩藩主で、大名行列を借金取りで止められるほどに超貧乏だった佐賀藩の財政を立て直し、軍備の近代化により明治維新にも貢献した名君と言われます。
(当時、大名行列を遮るものは切り捨て御免が認められていたのですが、それもできないほど借金取りに追われていたというのが悲しい・・・)
直正の藩主就任直後に、佐賀城二ノ丸が火事で全焼しますが、佐賀城の荒廃をきっかけに、本丸に御殿を建築して政治の中心を定め、その後8割の役人のリストラ、8割の借金の踏み倒しに成功するとともに、産業育成・人材育成に励み、見事藩政を立て直しました。
佐賀藩の軍備を近代化し、幕末に明治維新を主導した「薩長土」の一角にまで押し上げたのはこの人の功績です。

鯱の門跡

佐賀城の一番の見どころ「しゃちの門」です。天保年間に建築された門がそのまま現存しています。
大きくて立派な門です。門の上に青銅の鯱がのっていることから、鯱の門と呼ばれます。

天守台跡

鯱の門の反対側に天守台も見えます。鯱の門の方が存在感ありますね。

鯱の門(城内より)

城内から見た鯱の門です。立派で風格があります。

佐賀城址碑

苔むした石垣の前に城址碑がありました。ちなみに管理人は苔が大好きです。

24ポンドカノン砲

当時佐賀藩がアメリカから輸入したカノン砲の復元模型があります。直正は西洋から様々な近代兵器を輸入し、薩長土肥の近代軍による倒幕に貢献しました。

石製樋管と赤石積水路

こちらは石製樋管と赤石積水路と呼ばれ、本丸内部に水を送るための水路になります。

天守台(左側)と本丸御殿(右側)
南西隅櫓跡

南西隅櫓に上っていきます。風情を損なわない程度に程よく整備されていてよいですね。
南西隅櫓の石垣は、崩れにくい「亀甲積」という積み方です。

堀(南西隅櫓より)

南西隅櫓より堀を見下ろします。佐賀城の堀は広いところで幅70m程度もある立派な堀で、松などの植物を大量に植えて、防衛戦略上、城内を見えないようにしていました。

本丸御殿跡

こちらは本丸御殿跡です。本丸御殿の一部が復元されていますが、本当はもっと大きなものでした。
全部復元できなかったのは予算の都合とのこと。悲しい・・・

本丸御殿(復元)御玄関

本丸御殿の入り口である御玄関まで来ました。前にも述べた通り入場料は無料です!

本丸御殿廊下

御殿内へ。二条城を思わせる立派な廊下です。廊下と広間をあわせると320畳の広さがあり、当時1000人の家臣が集まることができたとのこと。

本丸御殿模型
外御書院
アームストロング砲

こちらは当時イギリスから輸入し、佐賀藩での製造にも成功したアームストロング砲です。
弾を1.5㎞程度先まで飛ばすことができました。

オランダ製モルチール砲

こちらはオランダ製のモルチール砲になります。こちらは現存のものになります。

天守台

再び天守台へ。

天守台入口

天守台の城門は虎口になっています。個人的にはここが一番城跡感が出ていて好きです。

天守台入口
天守台

天守台へ登っていきます。

天守台

天守台です。ここに5層の立派な天守閣が立っていました。
お金ないのにそんなの立てるから貧乏になるのでしょうが・・・

本丸御殿(天守台より)

天守台より見下ろす本丸御殿。

本丸御殿(天守台より)
NHK電波塔(天守台より)

天守台からNHK電波塔が良く見えます。

天守台跡の碑

天守台にある城址碑です。

天守台石垣

迫力ある天守台の石垣を眺めながら帰路へ。

鯱の門

鯱の門に戻ってきました!以上で散策終了です。
人が少なくて散策のしやすいお城でした。
ぜひ吉野ケ里とセットで回ってみて下さい!

公式パンフレット

城データ

  • 城名        佐賀城 <日本百名城No.89>
  • 種別        平城
  • 登城日       2022年9月23日(金)
  • 住所        〒840-0041 佐賀市城内2丁目13
  • 電話番号      0952-40-7110
  • スタンプ設置場所  佐賀城本丸歴史館受付
  • 公式HP      佐賀県公式観光サイト
  • 入場料       無料
  • 駐車場       無料
  • 所要時間の目安   60分程度
  • 混雑度       少
  • 注意点       特になし

  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

管理人の勝手な評価

~城として~

  • 難攻不落度     ★★★★☆(河川を引き込んで城を沈めるというのが怖い…)
  • 歴史に浸れる度   ★★☆☆☆(江戸時代の城なのでそれほど…)
  • 他では見れない度  ★★★☆☆(わりと普通の平城かもしれません)
  • 総合評価      ★★★☆☆

~行楽地として~

  • アクセス性     ★★☆☆☆(佐賀の中では中心地ですが…)
  • 登城のしやすさ度  ★★★★★(回りやすい平城です)
  • 分かりやすさ度   ★★★★★(解説板など多数)
  • 景観度       ★★★☆☆(綺麗に整備されています)
  • 女性と行ける度   ★★★☆☆(佐賀では贅沢は言えないでしょう)
  • 総合評価      ★★★☆☆

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