■概要
守護大名だった畠山氏が能登支配の中心拠点として築いた巨大な山城。
戦乱の世の中で、徐々に改築が重ねられ強固な山城になっていったといわれ、上杉謙信による七尾城攻めにおいても1年間以上持ちこたえた難攻不落の城である。最終的には、謙信による兵糧攻めにより城内では疫病が蔓延し、重臣遊佐続光の内応もあってついに開城することとなる。
その半年後、謙信は酒の飲みすぎであっけなく死亡し、のちに織田信長が七尾城を領することとなり前田利家に与えられるが、すでに山城の時代は終わっており間もなく廃城となる。
■見どころ
上杉謙信でも武力では落とせなかった難攻不落の山城であり、戦国ファンにはたまらない城です。
車で本丸付近まで行けますが、ここは是非山麓から徒歩で登城して難攻不落ぶりを味わいましょう。
登城者は少ないので不安になりますが、順路はちゃんと示されているので、ふもとの資料館で地図をもらっていくor案内板を撮影していけば迷うことはないでしょう。youtubeで「七尾城CG」(七尾市制作)を見ていくのがおススメ。
■管理人の散策記
七尾城は、車で本丸付近まで行けるように林道が整備されている。
元来横着な管理人としては、「文明の利器(車)で行けるところまで行く」がポリシーだったが、七尾城に関しては数々のネット掲示板等で、「山麓にある資料館から歩くべき」との書き込み多数だったため山麓から徒歩で登城することに。
基本看板に沿っていけば良いですが、途中分かりにくいところがあります。
路面の青チョークに沿って民家の横を抜けていきます。
拝むと虫歯が治るという「立石のお地蔵さん」にお参りしていきます。
荒れた路面を進んで行きます。
途中から急峻な山道に入っていきます。
長坂の看板。ここから「長坂」と呼ばれる尾根を登っていきます。
ここからは畠山家臣のみ通行が許されました。
「七曲り」と呼ばれる曲がりくねった急峻な山道に入ります。
天然の地形を利用して攻め寄せる兵を防いだといわれます。
畠山氏の筆頭重臣・遊佐氏の屋敷跡です。
本丸のふもとを固める位置にありますが、遊佐続光はたびたび畠山当主を追放・毒殺するなど専横をふるい、畠山氏を滅亡に導いた張本人です。
やっと本丸跡に到着。
このあたりからようやく城跡っぽくなります。
石段から見上げる石垣が圧巻です。
本丸石垣群です。当時は高石垣を積める技術が無かったため、段々に分かれています。
さらに登っていくと本丸屋敷が建っていた頂上付近が見えてきます。
「天宮」と呼ばれるにふさわしい城跡です。
頂上に到着!
標高300mの本丸屋敷跡には巨大な城跡碑が建っています。
桜馬場から温井屋敷を抜け、二の丸へ登っていきます。
二の丸跡へ到着!
二の丸から急峻な斜面を下って三の丸との間の堀切へ向かいます。
こちらは三の丸。かなり広いです。
写真の中央付近に通路と思しき斜めに並んだ石があります。
三の丸から二の丸との間の堀切を見下ろします。
相当な高さで、しかも急峻な崖になっていて攻めるのは容易ではなさそう。
三の丸からさらに急峻な階段を下って安寧寺跡へ。
安寧寺は江戸時代には建っていたとの記録が残っているが、建立時期などは全く不明とのこと。
現代は畠山氏の末裔が建てた慰霊碑が建っています。
ここから行きと同じルートを下山していきます。
最後に七尾城資料館で百名城スタンプを押しつつ館内を観覧して終了!
■事前学習コンテンツ
・七尾城CG(七尾市制作)
七尾城の復元CGです。資料館でも見れますが、youtubeでも見れます。
事前に見てから登城するとより思いを馳せやすいかと思います。
・宮下英樹「センゴク 天正記」7巻、8巻
七尾城の戦い~手取川の戦いまでの上杉謙信の活躍が描かれています。
手取川古戦場跡
七尾城の戦いの際、籠城する畠山氏は織田信長に救援を求めましたが、織田家の救援が七尾城に到着するより先に謙信は七尾城を陥落させ、南下して手取川(金沢市の南方)で織田家の救援隊である柴田勝家群と激突します。
■城データ
- 施設名 七尾城<日本百名城No.34>
- 登城日 2017年10月28日(土)
- 住所 石川県七尾市古屋敷町シカマ藪8番地2
- 電話番号 0767-53-4215(七尾城史資料館)
- 公式HP 七尾市公式HP
- 入場料 無料(七尾城史資料館は有料)
- 駐車場 無料
- 所要時間の目安 180分程度
- 混雑度 小
- 注意点 徒歩で登城の場合はトレッキングに適した服装を。
~城として~
- 難攻不落度 ★★★★★(謙信が力で落とせなかった城です)
- 歴史に浸れる度 ★★★★★(石垣などの遺構多数)
- 他では見れない度 ★★★★★(これだけ巨大な山城はなかなか無いかと)
- 総合評価 ★★★★★
- アクセス性 ★☆☆☆☆(能登はなかなか不便なところです)
- 登城のしやすさ度 ★☆☆☆☆(標高300mの登山です)
- 分かりやすさ度 ★★☆☆☆(解説は山城にしては多い方?)
- 景観度 ★★★★☆(眺望はかなり良いです)
- 女性と行ける度 ★★☆☆☆(山ガールなら・・・)
- 総合評価 ★★☆☆☆
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