概要
高遠城(たかとおじょう)は、元々は諏訪氏一門の高遠頼継の居城であるが、武田家が支配することとなってから武田家の参謀・山本勘助が大規模な改築を行った城。織田・徳川連合軍による武田家征伐(甲州征伐)のなかで、武田信玄の五男であり、当時の武田家当主・四郎勝頼の弟、仁科五郎盛信が城兵3000にて織田信長の嫡男・織田信忠5万の兵を相手に籠城戦を繰り広げた。武田家の西側防衛拠点の要といわれた城であったが、功を焦る織田信忠の猛攻の前に僅か1日で陥落した。
見どころ
兜山と呼ばれる山上に位置し、山本勘助が縄張りしたとされる勘助曲輪を正面にして、すぐ上の段丘の突端に本丸が位置するという変わった構造。ただ、本丸と奥にある二ノ丸の間には空堀があり、本丸を攻めるには勘助曲輪から急な斜面を攻め上るか、奥の二ノ丸に回り込み、二ノ丸から空堀を渡って本丸に攻め戻ってくる形となる。「人は城」と呼ばれた武田家の中では、西側への備えとして軍事要塞の性格が強かった高遠城の攻めづらさが伺える。二ノ丸から問屋門を渡って本丸付近に甲州征伐の合戦跡碑が立っており、信玄の息子たちの中でも豪胆な武将として知られた男・五郎盛信が織田家に対して意地を見せた激戦の地に思いを馳せてほしい。
事前学習コンテンツとしては、後述するセンゴク天正記「甲州崩れの章」を是非読んでから訪れたい。
一つ注意点としては、高遠城址公園は長野県きっての桜の名所であるため、花見の時期は避けるようにしよう。
<二ノ丸と本丸間の空堀に掛かる桜雲橋>
<桜雲橋本丸側に設置されている問屋門>
<本丸太鼓櫓>
事前学習コンテンツ
・宮下英樹「センゴク天正記」15巻
「武田征伐甲州崩れ編」が収められた一冊。
木曾義昌の反乱を契機に織田・徳川連合軍が武田領に侵攻し、武田勝頼が天目山にて
討ち取られ武田家が滅亡するまでを描いている。
144話が「信濃の要 高遠城の章」であり、仁科五郎盛信が織田家の猛攻に対峙する様が
描かれており、高遠城址訪問前に必読である。
<宮下英樹「センゴク天正記」第15巻より>
- 登城日 2017年8月17日(木)
- 住所 長野県伊那市高遠町東高遠
- 電話番号 0265-94-4444(高遠城歴史博物館)
- 公式HP 伊那市公式HP
- 入場料 無料 ※さくら祭りの時期以外
- 駐車場 無料(勘助曲輪付近など複数) ※さくら祭りの時期以外
- 所要時間の目安 90分程度
- 混雑度 小
- 注意点 花見のシーズンは避けましょう
管理人の勝手な評価
- 難攻不落度 ★★★★☆(勘助が縄張りした武田家防衛拠点の要です)
- 歴史に浸れる度 ★★★★☆(甲州征伐における仁科五郎の奮戦に浸りましょう)
- 他では見れない度 ★★★★☆(正面突端に本丸を配した少し変わった作りです)
- 総合評価 ★★★★☆(ぜひ事前学習していきましょう)
- アクセス性 ★★★☆☆(中央道・伊那インターから30分程度、駐車場広し)
- 登城のしやすさ度 ★★★☆☆(城址公園は割と広いです)
- 分かりやすさ度 ★★☆☆☆(解説パネル少なく、見どころ、順路が分かりづらい)
- 景観度 ★★☆☆☆(山城ですが遮蔽物が多くあまり景色見れません)
- 女性と行ける度 ★★☆☆☆(花見・紅葉の時期は逆におすすめですが・・・)
- 総合評価 ★★☆☆☆(戦国好きにはたまりませんが、それ以外の方は・・・)
コメント