■概要
戦国時代に、羽柴秀吉の弟で紀伊国を治めていた秀長が、当地で発生していた熊野牢人衆の一揆(天正の北山一揆)を鎮圧する目的で、天正17年(1589年)頃に、築城名人・藤堂高虎に命じて作らせた堅固な山城です。
後に関ケ原の戦いの功で、浅野家当主の幸長が紀伊国に加増転封され、あわせて一門の浅野忠吉が新宮の領主となります。慶長19年(1614年)、浅野忠吉が大阪冬の陣へ参陣したのを狙って、再び熊野牢人衆が一揆(慶長の北山一揆)を起こし、総勢3千人が新宮城に殺到します。しかし一揆は敗れ、首謀者363人は処刑されます。
慶長の北山一揆鎮圧の後、赤木城は一揆の残党を使役して修築されますが、翌元和元年(1615年)、赤木城落成披露の際に、残党160人は捕らえられ、赤木城の西約1キロにある田平子刑場にて処刑されます。
その後、元和元年(1615年)の一国一城令により、赤木城は廃城になったといわれます。
■見どころ
一揆鎮圧のための小規模な平山城ですが、山頂の主郭を中心として、三方の尾根に曲輪(東郭、北郭、西郭)を設け、複雑に折れ曲がった入城ルートや、桝形虎口・横矢掛かりなどの防衛機能を備えた堅固な城です。築城名人・藤堂高虎の城に思いを馳せましょう。
管理人の城ランキングのなかでもかなり上位に入る城です。なぜ百名城で選ばれなかったのか?
公式パンフレット全体はコチラとコチラからダウンロードできます。
■写真&散策記
赤木城へは、玉置神社や神倉神社の参拝とセットで泊まりツーリングで来ました。
東曲輪の麓に無料駐車場(砂利)がありますので、そこに愛馬を停めて散策スタートです。
それほど続日本百名城を押していないところにストイックさを感じますね。
駐車場から見上げると東郭(左)と主郭(右)が見えています。
今日はお天気が良いので写真が映えます。
駐車場トイレ横に縄張り図が貼ってあります。
公式パンフレットも置いてあります。
まずは登城路左手にある(伝)鍛冶屋敷跡です。
多数の陶器や焼き土などが発掘されていることから、鍛冶がいたと伝承されています。
主郭の虎口へ入っていきます。
敵の侵入を妨害するため、複雑に折り曲げてあります。
城に出っ張りを設けて、城攻めの兵を横方向からも攻撃できるようにする「横矢掛かり」です。
西郭から見上げる主郭。結構、傾斜がついています。
最後に西郭を下から。二段構成になってますね。
ここを攻め上るのも大変そうです。
最後が南郭。ここは城に至る道に面していて、防衛拠点というよりは生活拠点であったといわれています。
赤木城を後にして、北山一揆の残党が処刑されたという田平子刑場跡に寄って帰ります。
田平子刑場は赤木城への分岐の三差路にあります。(↓の写真の背中側)
Wikipediaによると供養塔があるとのことですが、ここの事でしょうか。
一揆に加担したということで、築城に使役されたうえ、落成と同時に処刑されたと思うと、悲惨ですね。戦国時代の黒歴史を感じます。
田平子刑場を後にして、丸山千枚田へ。
このあたりでは、丸山千枚田が有名な観光スポットで赤木城はオマケ的な位置づけだったのですが、某テレビ番組で、霧に浮かぶ赤木城が「天空の城」として紹介されてから、立場が逆転した模様です。
城好きでない一般市民には、山城は「天空の城」でないと価値がないみたいですね。。
最後に続日本百名城のスタンプが設置されている「紀和鉱山資料館」へ。
館内は有料だったので入ってませんが、館のスタッフの方はとても親切に案内して下さいました。
ちなみに、ここのスタンプは一度盗難されているそうで、二代目だそうです。
鉱山資料館の向かいには「紀和町雨天ゲートボール場」があります。
雨でもゲートボールをやりたいという執念を感じます。
(それだけ他に娯楽が無い・・・失礼)
うちの近所の公園でもしょっちゅうお年寄りたちによるゲートボール大会が開催されてますが、高齢になるとゲートボールがやりたくなるんですかね。確かに年金暮らしのお年寄りに最適な低コストな遊びですが。
■日本百名城・続日本百名城スタンプラリーの方は
・新宮城<続日本百名城No.167>
赤木城から車で南に1時間程度行った新宮市街地にあります。
関西からでも新宮はなかなか来れる場所ではないので、まとめて落としておきたい。
- 城名 赤木城<続日本百名城No.155>
- 種別 平山城
- 登城日 2018年10月20日(土)
- 住所 三重県熊野市紀和町赤木122
- 電話番号 0597-89-4111(熊野市教育委員会社会教育課)
- スタンプ設置場所 紀和鉱山資料館
住所:三重県熊野市紀和町板屋110−1
電話番号:0597-97-1000 - 公式HP 観光三重
- 入場料 無料
- 駐車場 無料
- 所要時間の目安 60分程度
- 混雑度 小
- 注意点 特に無し(普通の服装でいけます)
~城として~
- 難攻不落度 ★★★★☆(築城名人・藤堂高虎の設計です)
- 歴史に浸れる度 ★★★★☆(北山一揆の歴史に思いを馳せましょう)
- 他では見れない度 ★★★☆☆(近世城郭の防衛設備がみられる平山城)
- 総合評価 ★★★★☆
- アクセス性 ★★☆☆☆(熊野は高速道路が不便です)
- 登城のしやすさ度 ★★★★☆(小規模な平山城です)
- 分かりやすさ度 ★★★☆☆(解説もがんばっています)
- 景観度 ★★★★☆(霧のときに来れると尚良いです)
- 女性と行ける度 ★★★★☆(丸山千枚田や熊野古道とセットで)
- 総合評価 ★★★☆☆
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