越前大野城 ~朝倉氏が滅び建てられた越前の天空の城

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■概要

越前大野城は、織田信長の直臣・金森長近が越前国大野郡3万石を治める自身の居城として築城した山城です。

もともと戦国時代まで越前国大野郡は、越前国主・朝倉義景の従兄弟であり筆頭家老の朝倉景鏡が治めていました。義景は1573年(天正元年)織田信長による侵攻を受けて敗れ、義景は従兄弟の朝倉景鏡の勧めで本拠・一乗谷城を捨てて、景鏡が治める大野郡に落ち延びます。しかし、景鏡は既に信長と通じており、義景は、大野への移動中に景鏡の指定で宿泊した寺を景鏡の手勢約2千に囲まれ、自刃に追い込まれます。景鏡は、義景の首を手土産に織田方に降参し、大野の地を安堵されますが、織田家中では肉親かつ筆頭家老でありながら当主を裏切った不忠者のレッテルを貼られ、1573年に発生した越前一向一揆において一揆衆に攻められて討ち死にします。

その後、1575年(天正3年)信長により越前一向一揆は鎮圧され、その時の戦功により大野郡3万石を与えられた信長の直臣・金森長近が自身の居城として亀山に築城を始めます。築城には数年間を要し完成しますが、その後豊臣政権下では、青木一矩・織田秀雄、徳川政権下では越前松平氏など目まぐるしく城主が変わり、失火による本丸などの焼失・再建を経て、明治の廃城令により破却されることとなります。

1968年(昭和43年)、地元の名士の寄付により天守が推定復元されます。

■見どころ

天守はコンクリート復元ですが、本丸石垣は江戸時代当時の野面積みの形を残しています。
復元ながらも山城の天守閣があるというのは、とてもロマンがあります。戦国ファンであればテンションが上がること間違いなしです。また、天守最上階から見える大野の風景は、とてものどかで昔の雰囲気を思わせるものなので一見の価値ありです。

また、私は見られていませんが、季節によっては雲海に包まれた越前大野城を見ることができるため、兵庫県の竹田城と並んで「天空の城」としての呼び声が高いです。竹田城より優れているのが、「天守閣がある天空の城」ということです。
1年のうち10月~4月ごろの10日間程度の早朝に限って、雲海につつまれた越前大野城を見ることができるため、県内外から多くのカメラマンが詰めかけるとのことです。

<雲海に包まれた越前大野城(越前大野城公式HPより)>
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■写真&散策記

麓にある「越前おおの結ステーション」という施設に駐車場があり、無料で車を停めることができます。
駐車場の隣、明治時代に置かれた時刻を知らせる「時鐘」をイメージしたモニュメントがあります。
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駐車場の背後に越前大野城のある亀山が見えます。
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当時二の丸のあった「学びの里めいりん」の角を曲がって城に向かいます。
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江戸時代に藩政改革の功労者である大野藩主・土井利忠を祀った柳廼社です。
越前大野城に行く際のルートになっています。
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「亀山城」というのが越前大野城のことです。
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柳廼社の拝殿。
左側の道を抜けて登城路へ向かいます。
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城門が見えてきます。
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マップがありました。
百軒坂を登っていけば天守閣に行けます。
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城門正面から。
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いざ山城へ!
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江戸時代当時の登城路であった百間坂です。
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このあたりからところどころ石垣が見えてきます。
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登城路は綺麗に舗装されてます。
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百間坂には路肩に石垣がありますが、これは当時のものでしょうか?
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本丸が見えてきます。
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本丸の石垣。
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なかなかの雰囲気があります。
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天守閣です。山城の天守閣というのはやはりテンションがあがりますね。
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いざ天守閣へ。
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天守台から越前大野の街並みを望む。
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二重三階の復元天守です。
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石垣はやはり当時の野面積みを復元してあります。
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天守閣内部へ。右側が二重二階の小天守です。
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続日本百名城スタンプも券売所にあります。
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天守閣最上階からの眺望は抜群です。こちらは福井方面です。
昔ながらの水田風景が残っています。
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南方面です。こちらはそれなりに市街地です。
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天守を後にします。
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火薬のもとが厳重に保管されていた塩硝櫓です。
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天守閣裏側の見事な石垣。
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小天守の石落としです。
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天守から武具櫓に繋がる橋。
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武具櫓跡です。城を守るための鎧や鉄砲、弓、大筒(大砲)まで置かれていたと言われています。
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武具櫓の隣にあるお福池
お福は金森長近の正室の名前から取られました。
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武具櫓跡から天守方面。
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これで本丸を後にします。
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築城主・金森長近の銅像がひっそりと建っています。
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麓まで下りてきました。
再び二の丸であった学びの里めいりんまで。
ここは越前大野城の外堀であった百間堀の復元です。
「百間」はだいたい300メートルぐらいです。
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暑さによる水不足のためか本日、水が流れていないのが残念です。
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これで登城完了!と言いたいところですが、せっかくなので少し寄り道をして、戦国時代における越前国の戦国大名であり、越前大野にて自刃した朝倉義景公の墓所に立ち寄りをします。

「義景公園」という名前の公園になっています。
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義景公にちなんだ「義景清水(しょうず)」という池です。
大野の湧水に生息するイトヨという魚が棲んでいます。
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義景清水は飲用として飲むこともできます。
越前大野城の登城でだいぶ汗をかいたので、全身に染みわたります。
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最後に義景公の墓所にお参りしていきます。
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一向一揆との戦いに明け暮れた朝倉義景公ですが、最後は信長に攻められ、身内に裏切られて最期を遂げるというのは無念であったと思います。
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以上で、散策終了です!

■公式パンフレット
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■城データ
  • 城名        越前大野城<続日本百名城No.138>
  • 種別        山城
  • 登城日       2019年5月24日(金)
  • 住所        福井県大野市城町3-109
  • 電話番号      0779-66-0234
  • スタンプ設置場所  天守閣券売所横
  • 公式HP      「天空の城」越前大野城公式HP
  • 入場料       有料・大人300円
  • 駐車場       無料
  • 所要時間の目安   60分程度
  • 混雑度       小
  • 注意点       特に無し
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★★★☆☆(織田家による堅固な山城です)
  • 歴史に浸れる度   ★★★☆☆(朝倉家・織田家と続く大野の歴史に)
  • 他では見れない度  ★★★★☆(雲海も見られる天空の城です)
  • 総合評価      ★★★☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★☆☆☆(福井市街からも少し離れています)
  • 登城のしやすさ度  ★★★☆☆(山城ですが登城路は舗装されています)
  • 分かりやすさ度   ★★★☆☆(解説・案内もそこそこあります)
  • 景観度       ★★★★☆(天守最上階からの眺望は抜群です)
  • 女性と行ける度   ★★☆☆☆(雲海の時期であれば★3ですね)
  • 総合評価      ★★★☆☆
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