九度山(+高野山) ~戦国のヒーロー真田昌幸・信繁父子の蟄居先

■概要

真田昌幸&信繁(幸村)親子が、関ヶ原の戦いで西軍に与した(第二次上田合戦)罪を問われ、家康によって蟄居を命じられた地です。高野山は真言宗の総本山で、標高1,000m級の山々に囲まれた、標高800mの平坦地にあります。九度山は高野山の北面の麓にある集落です。

昌幸と信繁父子ははじめ高野山で真田家にゆかりのある蓮華定院に送られましたが、昌幸一行に従う家来が多く(一説には総勢50人とも)、女人禁制で屋敷を建てる敷地も少ない高野山では不足があったため、改めて九度山に送られました。

九度山は高野山ほどではないにせよ冬は寒く、紀州藩からの支給米は少ないのに家来が多いため生活は困窮を極め、松代藩主で信繁の兄にあたる信之からの仕送りでなんとか生活が成立していましたが、その仕送りについても父昌幸から信之にあてて何度も催促した書状が残っています(九度山真田ミュージアムに展示)。

昌幸・信繁父子は「真田紐」と呼ばれる伸びにくく丈夫な紐を開発し、家来に全国に行商させて生活費の足しにしていました。真田紐は武具や帯締め等など幅広く民衆に重宝されました。
また、真田紐の行商は、昌幸が再興を期して、全国の大名の動静を探る意味もあったと推測されます。



昌幸は戦国大名としての再興の夢を果たせずここ九度山にて没することとなります。
昌幸の死後、信繁は関ヶ原の戦い後徳川家との対立を深めていった豊臣秀頼の求めに応じ、徳川方の監視の目を潜って九度山を脱出・大阪城に入城し、豊臣方として大阪の陣を戦うこととなります。

■見どころ

最初に蟄居を命じられた真田家にゆかりのある高野山の蓮華定院からスタートし、九度山に移動して真田昌幸・信繁の居館であった「真田庵」や周辺の遺構を散策し、一気に大阪城へ攻め上るというコースがおススメです。早朝から高野山に向かえば十分に一日で回れると思います。

ぜひ一日かけて真田家の興亡の歴史に思いを馳せましょう。

■写真&散策記

①蓮華定院(高野山)

まずは真田家ゆかりの寺院である蓮華定院へ。
蓮華定院は、信濃・佐久の豪族たちと宿坊契約を結んでいたという記録が残っており、佐久の豪族海野氏が出自である真田家ともゆかりがあったと考えられます。

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あちこちに真田家の六ツ連銭が。
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綺麗に掃き清められた庭園。
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残念ながら寺院の内部は宿泊客でないと拝観できません。
1万円ぐらいで泊まれるようなので、宿泊してじっくり観覧してみても良いかも。
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どうやら寺院の裏に真田家墓所があるようです。
社務所に一声かければお参りできるとのことなので向かいます。
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お寺の勝手口を出て壁沿いに進んで行けば右手に墓所が見えてきます。
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左手が昌幸公、右手が信繁公の墓所だったかと思います。
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こちらは昌幸公。
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やはり真田ゆかりの地といえばどこでも五円玉を六ツ連銭風に並べたくなるようです。
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こちらは信繁公。
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②真田庵(九度山)

こちらは九度山に再送致された真田昌幸が居館を構えた地です。
現在はお寺?になっています。
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こちらにも昌幸公の墓地があります。
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ほぼ無人で運営されてます。
「一人でやっているので、多くを求めないで」という趣旨の張り紙があちこちに貼られています;
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こちらは「雷封じの井戸」
なんでも九度山に雷が落ちた際に信繁(幸村)がその雷をこの井戸に封じ込め、村人を救ったと伝えられています。嘘くさ~。
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③真田古墳(九度山)

真田信繁が九度山を脱出して大坂城へ参陣する際に抜け穴に使ったという伝説が残る古墳です。
現在判明している横穴は長さ1.4m程度でしかなく、抜け穴はあくまで伝説と思われますが、ここから大坂城へ繋がる抜け穴があると思うとロマンを感じますね。
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④真田ミュージアム(九度山)

真田昌幸・信繁(幸村)・大助(信繁の子)の三代にわたっての歴史を余すことなく伝える史料館です。
九度山で生活に困窮した昌幸が、嫡男で松代藩主の信之に仕送りを催促する書状などが生々しく残っています。

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無料で兜を被って記念撮影もできます。
観光客も少なめで快適です。
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<公式パンフレット>
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⑤幸村庵(九度山)

九度山の古民家を改造したそば処です。
このあたりでは数少ないグルメどころですが、ボリュームがあって美味しいです。
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店内にも本格的な甲冑が展示されており、気分を盛り上げてくれます。
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座布団にも六ツ連銭が・・・!?
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真田十勇士と思われます。
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こちらは幸村御膳。
そば、天ぷら、柿の葉寿司などガッツリの内容で2100円也。
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■事前学習コンテンツ

・NHK大河ドラマ「真田丸」

真田信繁の半生を描いたドラマ。
九度山での困窮ぶりや真田紐の行商など、蟄居生活についても細かく描かれています。


■あわせて巡りたい

・大坂城(日本百名城No.54)

高野山から九度山に移され、最後には九度山を脱出して大坂城に参陣した信繁の足跡をたどって、大坂城についてもぜひあわせて巡りたいところです。(管理人は時間が足りずできてませんが、早朝に高野山を出れば一日で周り切れるはず・・・!)

■歴史スポットデータ

  • 歴史スポット名   九度山
  • 種別        蟄居先
  • 登城日       2018年4月28日(土)
  • 住所        和歌山県伊都郡九度山町九度山1452-4(九度山・真田ミュージアム)
  • 電話番号      0736-54-2727(九度山・真田ミュージアム)
  • 公式HP      九度山・真田ミュージアム公式HP
  • 入場料       有料(大人500円)
  • 駐車場       無料(九度山町営駐車場)
  • 所要時間の目安   240分程度(高野山・蓮華定院からの移動を含む)
  • 混雑度       中
  • 注意点       特に無し
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★☆☆☆☆(屋敷には馬三頭を養ってはいましたが)
  • 歴史に浸れる度   ★★★☆☆(昌幸の蟄居先に思いをはせましょう)
  • 他では見れない度  ★★☆☆☆(そこまで特筆すべきものはありません)
  • 総合評価      ★★☆☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★☆☆☆(高速からも遠いです)
  • 登城のしやすさ度  ★★★★★(平地ですし、広さもそこそこです)
  • 分かりやすさ度   ★★★★☆(解説も豊富です)
  • 景観度       ★★☆☆☆(平地なので特に景色は拝めません)
  • 女性と行ける度   ★★★★☆(アベック多し。問題なし!)
  • 総合評価      ★★★★☆
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