■レビュー
「三国無双」でおなじみコーエーテクモゲームスによる無双ゲームの戦国バージョンで、戦国武将として敵兵をバタバタ倒していくゲームです。2014年に発売されましたが、2018年現在においても最新作です。
「信長の野望」などの歴史シミュレーションゲームとは異なり、敵兵を倒していくアクションゲームなので、合戦をよりリアルに味わえるのと、爽快感が味わえるのがこのゲームの醍醐味です。
ゲームの遊び方としては、「無双演武」「模擬演武」「流浪演武」があり、無双演武が戦国時代の合戦を史実に沿って体感していくゲームです。
模擬演武は基本的に無双演武と同じですが、武将を無制限に選ぶことができます(例えば、桶狭間の戦いで今川義元を主人公にして、今川義元の本陣を急襲させるという遊び方も可能)。
流浪演武は、武将を一人選んで全国を旅させながらレベルアップしていくようなゲームらしいですが、あまり面白くないので管理人はほとんど遊んでません。
やはり戦国ファンにおススメなのは、戦国武将になりきって合戦を戦える「無双演武」一択です!
「無双演武」のシナリオについては、「真田の章」「織田の章」「徳川の章」「天下統一の章」など戦国時代のメインどころだけでなく、「九州の章」「東北の章」「四国の章」など各地における戦国時代のストーリーを再現しているところも、戦国ファンとしてはポイントが高いです。
ひとつの章のなかに複数のシナリオが入っていて、時代順に進めていくイメージです。
こちらは長篠の戦い。
シナリオの前には、合戦に至るまでの経緯が図解されるので、これは勉強になります。
(若干史実と異なる場合もあるので、ご注意ください)
長篠にて信長、武田軍が激突します。
勝頼による長篠城の包囲、徳川軍による鳶ヶ須山砦の急襲、設楽原での両軍激突と、史実通り再現されています。
このゲームの少し残念な点は、そもそも、戦国時代の戦は近代戦に近い組織戦のはずなので、大名や指揮官である武将が敵軍に突っ込んで行って敵兵をなぎ倒すあたりに不自然感を拭えません。
無双するのはあくまで、一騎駆けタイプの武将(可児才蔵とかせいぜい本多忠勝とか?)だけにしても良かったかもしれませんね。織田信長とか徳川家康が自ら敵をなぎ倒していくのは違和感ありすぎです。
こちらは長篠の戦いで三千の鉄砲隊を準備しながら、なぜか自ら敵陣に突っ込んでいく織田信長・・・
そして、織田信長自ら騎馬隊を馬防柵に誘い出すという・・・
部下は何をしているんでしょうね?
でも最終的に武田騎馬隊はことごとく織田・徳川鉄砲隊のえじきとなります。
妻女山での啄木鳥作戦に失敗して、八幡原で激突するまで忠実に再現されています。
ただ、八幡原で布陣しているはずなのに、妻女山やら海津城やらあちこちウロウロして落ち着きのない総大将・信玄。そして、なんと謙信の姉・綾御前と一騎討ちに!(もはやメチャクチャ)
ついに八幡原で信玄・謙信が一騎討ちに!
武田の章では信玄が、上杉の章では謙信が一騎討ちに勝利するというご都合主義です。
かわいそうなことに、信玄はだいぶイタイキャラにされてしまっています。
そういえば、無双シリーズでは武田家のキャラがほぼ出てこないし、コーエーさんから嫌われてるのかも?
政宗の片腕として有名な片倉小十郎はなんとフチなしメガネ。
そんなもん戦国時代にないやろ~。
人取り橋の戦いは東北なのでちゃんと雪の設定になっています。
こういうところは好感持てます。
こちらは戦国イチの大悪党・松永久秀。
体にまとったマントと顔にもクモの巣の模様があしらわれています。
恐らく抱いて爆死した平蜘蛛(ひらぐも)茶釜から来ているんやろうな・・・
ちなみに一人称は「ワガハイ」です。デーモン小暮か!
もっと扱いがひどいのが「海道一の弓取り」と評された駿河の今川義元。
信長の野望シリーズでのイケメンぶりとはうって変わって完全なバカ殿様扱いです。
なんと義元の武器は「蹴鞠(けまり)」です。
そんな馬鹿な・・・
武器があり得ないシリーズで言えば「長宗我部元親(左側)」もひどいです。
なんと、「三味線」!
元親は、完全なビジュアル系です。
ここまでデフォルメされると唖然。
もうだいぶ感覚麻痺してますが、いくらキリシタンだったとはいえ洋風すぎませんかね?
しゃべりはだいぶ天真爛漫な感じで、とても関ヶ原前夜に夫に忠節を誓って自害したガラシャとは思えません。
ただ、ガラシャのゲームの中での強さは異常です。
やはり総合すると、キャラクターとしては圧倒的に織田信長が魅力的ですね。
(左側、右側は羽柴秀吉)
長宗我部、ガラシャを見た後だと、二人ともかなりマトモに見えてしまいますが、よく見ると信長は完全にデビルマンです。
信長は声がかなり良いです。
小杉十郎太という声優らしいですが。
最後は、本能寺にて光秀に謀反を起こされて滅びます。
光秀の謀反を告げているのは、信長お気に入りの森蘭丸ちゃん。
謀反を起こされて絶体絶命なのにとても嬉しそうです。
自分を越えてくる存在の登場を待っていたかのようです。
光秀の泣き言に「無価値。最後まで背ききって見せよ」と言って信長は炎の中に消えていきます。
このあたりの潔い信長にシビれてしまいます。
なんか最後の方は信長のことばかりを書いてしまいましたが、それぐらいこのゲームでは信長が圧倒的に魅力的な主人公のように管理人には思えてなりません。
実は、このゲームは真田幸村・信之兄弟が主人公扱いだそうですが、あまりに信長が魅力的すぎて、つい最近までそのことに気づきませんでした。。
コーエーも真田を主人公にしたつもりが、全然できていないことに気づいたのか、この後2016年の大河ドラマ「真田丸」にあわせて「戦国無双 真田丸」という、大河ネタをそのままコピーしてしまったようなゲームを出してしまうこととなります。
戦国無双の次回作の発売は、明智光秀の大河ドラマが予定されている2020年あたりじゃないかと巷では噂されてますが、どうなんでしょうか??
管理人としては次回作ではぜひ、
・武田家臣団の充実(山県昌景、馬場信春、山本勘助、武田勝頼など)
・本願寺家のキャラクター追加(顕如、下間頼廉など)
・朝鮮出兵シナリオの追加
・全体的にキャラクターをもっと史実に近い硬派なビジュアルに変更
・オープンワールドの導入(三国無双8のやつ)
を実現して頂きたいです。
2番目と3番目はコーエーのタブーともいわれているので、かなりハードルは高いと思いますが、上記が全部実現されていれば2万円ぐらいでも買います!
史実に忠実なシミュレーションではなく、アクション+国盗りをやられたい方はEmpiresがおススメです。
管理人もハマり度で言えばこちらの方が断然上です。
- ゲーム名 戦国無双4
- キャッチコピー 「運命に、火花散る。」
- 種別 アクションゲーム
- 公式HP コーエーテクモ公式HP
~戦国ゲームとして~
- 歴史に浸れる度 ★★☆☆☆(もう少し硬派なキャラクターにしてもらえれば・・・)
- 他では見れない度 ★★★★★(戦国のアクションゲームは他ではほぼ無いです)
- 総合評価 ★★★☆☆
- 分かりやすさ度 ★★★★☆(戦国の歴史の入門編としても分かり良いです)
- ビジュアル度 ★★★★☆(綺麗なグラフィックだと思います)
- 女性と遊べる度 ★★☆☆☆(武将も全体的にイケメンですが、いかんせんゲームなので)
- 総合評価 ★★★★☆
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