根来寺 ~秀吉に抵抗し、灰となった根来衆の本拠

寺院
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概要

和歌山県にある新義真言宗の寺院であり、高野山の大伝法院を祖とします。
戦国時代には、寺領72万石という大大名にも匹敵する一代宗教都市を形成しました。

また、南蛮より九州・種子島に伝来した火縄銃を僧兵が習得し、鉄砲軍団「根来衆」として活躍しました。
紀州の鉄砲軍団として有名なのは雑賀衆と根来衆で、雑賀衆は石山本願寺と、根来衆は織田信長と誼を通じていました。しかし信長死後、雑賀衆は頭領孫一の逃亡により壊滅状態となり、根来衆は、信長より天下統一事業を継承した秀吉に対抗していた徳川家康・織田信雄に与して秀吉の治める岸和田に侵攻したため、秀吉は根来衆の征伐を決意します。

秀吉は大軍を率いて南下し、根来衆の本拠である根来寺に迫ると寺社に火を放ち(失火という説もあり)、壊滅させました。その後、雑賀衆もあっさりと滅ぼし、これにて信長もついに成しえなかった紀州制圧を完了します。

秀吉によって灰燼に帰した根来寺でしたが、江戸時代に入って、紀州徳川家によって主要な伽藍が再建されます。

見どころ

根来寺入り口です。
これより先の境内は撮影が禁止されているため、写真はこれだけです。

「佇めば中世」のキャッチフレーズは掛け値なしであり、時代を感じさせる木造建築が、惜しげもなく開放されています。大伝法堂では、3mを超える大日如来の間近まで行くことができます。
しかも、管理人は休日に行ったにも関わらず他に観光客は全くおらず、思う存分歴史に思いを馳せることができました。大阪からほど近い距離に、国宝が展示されているのに人がおらず、贅沢に見ることができるスポットがあるとはよもや思いませんでした。

少しだけ残念なのは入山料がかかることと、境内の撮影が禁止されていることぐらいでしょうか。

特に見どころなのは、高さ40mと国内最大の「大塔」で、国宝に指定されています。
根来寺といえば思い浮かぶ塔であり、絶対に外せない。どことなくアジアンなテイストの建物で、巨大なサイズ感もあり、他ではなかなか見れない代物です。

できれば、根来寺の大手門にあたる「大門」に車を停めて、一つ一つの仏舎をじっくり散策して頂きたいです。

そして、根来衆の歴史について事前に勉強してから訪問し、秀吉の紀州征伐での悲劇に思いを馳せてみてください。

根来寺大塔

根来寺大塔(出典:Wikipediaより)

公式パンフレット

クリックもしくはタップして頂くと大きく表示されます。
根来寺公式パンフレット

根来寺公式パンフレット

事前学習コンテンツ

・宮下英樹「センゴク権兵衛」2巻

秀吉による根来の焼き討ちが描かれています。

あわせて巡りたい

・雑賀城

 雑賀衆の頭領、雑賀孫一の本拠地。
根来衆と並んで双璧をなす雑賀衆についてもあわせてみておきたい。

施設データ

  • 施設名       乾徳山 恵林寺
  • 訪問日       2017年6月3日(土)
  • 住所        和歌山県岩出市根来2286
  • 電話番号      0736-62-1144
  • 公式HP      根来寺公式HP
  • 入場料       有料
  • 駐車場       無料
  • 注意点       境内の撮影は禁止

管理人の勝手な評価

~歴史スポットとして~
  • 歴史に浸れる度   ★★★★★(秀吉の紀州征伐に思いを馳せましょう)
  • 他では見れない度  ★★★★★(大塔は国宝にも指定されています)
  • 総合評価      ★★★★★
~行楽地として~
  • アクセス性     ★★★☆☆(阪和道からはまあ近いです)
  • 分かりやすさ度   ★★★☆☆(解説、案内はやや少なめ?)
  • 景観度       ★★★★★(時代を感じさせる美しい木造建築)
  • 女性と行ける度   ★★★★☆(寺社仏閣巡りに抵抗が無い女性であれば)
  • 総合評価      ★★★★☆

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