品川台場 ~黒船から日本を守るために築かれた砲台場

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■概要

幕末当時鎖国していた日本に、寛永6年(1853年)6月にアメリカ合衆国からペリー艦隊(いわゆる黒船)が来航して日本に開国を迫ったことを受けて、ペリーを一旦追い返した後に江戸幕府が品川沖に築いた海上砲台群です。

<マシュー・ペリー提督>
歴史を真面目に勉強しなかったあなたでもこの写真を見ればお分かりかと思います。
実はあまり知られていませんが、品川に現れる前に琉球にも立ち寄って中城城も視察しています。
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寛永6年8月に着工し、伊豆韮山代官・江川英龍の監督により昼夜兼行で工事が進められ、最終的に12月に6基の砲台が完成します。(本来は12基の砲台建設を計画していましたが、間に合わなかったようです)

<鍋島直正品川台場巡視之図>
佐賀藩に発注された大砲50門の納品確認のために鍋島直正が品川台場の試射を視察しに来た際の絵図です。
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(出典:公益財団法人徴古館HPより)

しかし、幕府は再度のペリー来航に対して開国を承諾し、品川台場の砲台は一度も火を噴くことなく役目を終えることになりますが、一応幕府が崩壊する慶応4年(1868年)までは幕府による海上警備の拠点として使用されました。

■見どころ

当時6基あった砲台のうち現存するのは2基で、かつ一般人が立ち入りできるのは「第三台場」の一基のみです。

お台場といえばフジテレビで有名ですが、最初、続日本百名城に「お台場」が追加されていることが知ったとき、「え!?」と耳を疑った城ファンは少なくないでしょう。

そんな品川台場は東京の喧騒からは想像できないほどひっそりとお台場の隅にあります。
しかし、「東京のど真ん中にこんなスポットがあったのか」という驚きと、とても威風のあるたたずまいに感動すること間違いなしです。
尚、平日とはいえ客ゼロの観光スポットは東京ではココしかないでしょう。

台場だけを目的に東京に来るのは厳しめですが、ぜひ仕事などで上京のついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

<レインボーブリッジから撮影した第三台場>
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■写真&散策記

やってきました東京。
今日は出張で東京に来ましたが、昼からのアポイントなので、午前中有休をとって念願(?)の品川御台に行くことにしました。

新橋駅で乗り換えてゆりかもめでお台場へ。
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お台場海浜公園駅で下車して台場公園に向かいます。
スタンプ設置場所は、お台場海浜公園管理事務所にあるため少しだけ迂回していかなければなりません。
管理事務所に寄っても第三台場まで徒歩20分ぐらいで着けます。

管理事務所で「続日本百名城のスタンプが欲しい」と言うと、目の色を変えて歓迎して頂きました。「分からんことあったらなんでも質問して」と言って頂きましたが、出張のため時間がないためお断りして第三台場に向かいました。

正面に第三台場が見えています。
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ひたすら砂浜を歩いていきます。
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ようやく近づいてきます。
このあたりから全く人がいなくなります。
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近づいてきました。海に浮かぶ石垣が見えてきます。
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ここに来て自転車が追い越していって第三台場付近で停めました。
観光客か!?と思いましたが、よく見たらさっき管理事務所で見たおっちゃんでした。
やはり観光客はいないのか・・・
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第三台場の内部へ。秘密基地みたいでドキドキします。
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遺構は、大きく陣屋跡、火薬庫跡、かまど跡、砲台跡です。
マップには載ってませんが、弾薬庫も各所にあります。
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ここは弾薬庫跡の一つです。
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ところどころに草木のすき間から壁面らしき跡が見えます。
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台場の中からレインボーブリッジが見えます。
レインボーブリッジはひっきりなしにトラックやら車が通ってますが、第三台場の中はひっそりとしていて別世界です。
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ここは陣屋跡です。台場に勤務する人の居住地となっていた場所です。基礎は現存です。
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当時はこんな感じの陣屋が建っていたみたいです。(CG復元)
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(出典:品川台場公式パンフレットより)

陣屋跡から高層ビルを望む。
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陣屋跡。反対側から。
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ここは火薬庫跡です。火薬庫は火災や被弾に備えて複数に分散して設置されていました。
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続いてかまど跡へ。
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かまど跡。火災に備えてか、周囲はくぎられています。
なんか墓地みたいですね。
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八角形をしたかまどです。このかまどはレプリカですが、当時大砲に点火するための火種を作る場所でした。
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こちらもかまど跡です。
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こちらにはかまどのレプリカは設置されていません。
かまども火災や被弾に備えて複数場所に分散してありました。
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石垣に登って、いよいよ台場一番の見どころ(?)の砲台跡(復元)です。
アメリカの黒船に砲弾を浴びせるために設置された砲台群ですが、残念ながら一度も火を噴くことはありませんでした。
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石垣からもうひとつ残る第六台場が見えます。
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波止場の方に出たいのですが、進入禁止になっていました。
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台場とレインボーブリッジの曲線美。
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本土に戻るにあたってゆりかもめに乗るのではなく、せっかくなので歩いてみることに。
あまり知られていませんが、レインボーブリッジは徒歩で渡ることもできます。
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橋上から見る第三台場。こうやって見るととても立派です。
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波が打ち寄せているのが見えます。
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こうやって見ると戦艦のようです。
ちなみにこのように正方形を傾けて設置しているのは、黒船に十字砲火を浴びせることが出来るよう、あえて砲台を斜めに向けるために傾けて置かれていました。

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品川台場の城址碑。アップでなんとか・・・
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新橋方面へ歩いていきます。
普通に歩いてますが、右側は車がビュンビュン飛ばしていて左側はとても高いところから海を見下ろしていて、しかも左右ともガードレールがとても低いので結構怖いです。しかも橋が常に上下に揺れています。高所恐怖症の方はやめた方が無難です。
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さらば第三台場。
レインボーブリッジからが一番良い写真が撮れますね。
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少し歩くと第六台場が見えてきます。
こちらは残念ながら一般の方は上陸することができません。
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孤島になっている第六台場。一度上陸してみたいですね。
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第六台場も後にします。
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さらば!台場。もうすぐ本土です。
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なめてましたが、なかなか見応えがありました。
何より都会のど真ん中での別世界感がたまらなかったです。

以上で、攻略完了!

■公式パンフレット

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■城データ
  • 城名        品川台場(品川御台場、品海砲台)<続日本百名城No.124>
  • 種別        台場
  • 登城日       2019年6月14日(金)
  • 住所        東京都港区台場1(台場公園)
  • 電話番号      03-5531-0852(お台場海浜公園管理事務所)
  • スタンプ設置場所  お台場海浜公園管理事務所
  • 公式HP      海上公園なび
  • 入場料       無料
  • 駐車場       無料
  • 所要時間の目安   90分程度
  • 混雑度       無
  • 注意点       休日は少しは混むかも?
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★★☆☆☆(開国から日本を守れなかったので)
  • 歴史に浸れる度   ★★★☆☆(ある意味歴史に浸れます)
  • 他では見れない度  ★★★★★(他の城ではまず見れません)
  • 総合評価      ★★★☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★★★☆(東京のど真ん中です・・・がゆりかもめが若干不便)
  • 登城のしやすさ度  ★★★★☆(管理人はスーツで巡りました)
  • 分かりやすさ度   ★★★☆☆(もう少し解説が多くても良いかも)
  • 景観度       ★★☆☆☆(レインボーブリッジから見下ろすと良い感じ)
  • 女性と行ける度   ★★★☆☆(お台場デートのついでに・・・)
  • 総合評価      ★★★★☆

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