根室半島チャシ跡群 ~日本の最東端に眠るアイヌ民族の砦跡

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■概要

「チャシ」はアイヌ語で「砦」を意味し、アイヌ民族の祭祀の場、見張りの場として使われたといわれていますが、研究が始まったのが遅く、詳しいことはあまり分かっていません。13~19世紀にかけて北海道全域に700程度のチャシが作られましたが、そのうち根室半島だけでで32のチャシ跡が残っています。
根室半島のチャシ跡は密集度が高いことに加え保存状態が良く、寛政元年(1789年)の和人とアイヌとの戦いである「クナシリ・メナシの戦い」の舞台となっていることなどから、根室半島に位置する24か所のチャシ跡が「根室半島チャシ跡群」として指定されています。

なお、現在観光で行けるのは、チャシの写真としても良く出てくる「ヲンネモトチャシ」と、前述のクナシリ・メナシの戦いの舞台となった「ノツカマフチャシ」の2か所のみです。

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■見どころ

はっきり言って、何も言われなければただの原っぱです。言われてみれば少し盛り上がっているような・・・のレベルでしかありません。歴史的にもあまり位置づけが良く分かっておらず、歴史に思いを馳せるのも厳しめです。ただし、ただの原っぱといっても、北海道は海も空も緑もとても綺麗かつ雄大で、それだけで来た甲斐があったなと思わせてくれる場所ではあります。(特にノツカマフの方)

<ノツカマフチャシ>
本当に海と空とただの原っぱですが、とても美しい景色です
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■写真&散策記

根室半島チャシ跡群は記念すべき日本百名城の1番に指定されていますが、ガイドブックを見てもただのもっこりした草原にしか見えず、当然戦国時代の歴史とも関連性はなく、かつ他の百名城と合わせて巡れる距離に無いという(北海道の他の百名城は松前藩のあった函館方面に集中)コスパの悪さで、どのようにしてスタンプをゲットしようかというのが管理人夫婦の長らく悩みの種でした。

そんな我々に千載一遇のチャンスが訪れます!
偶然ネットで発見したのですが、泉佐野市がふるさと納税で「ピーチポイント50%還元」というのを募集しているではありませんか。
しかも、還元率50%!
ということは、限度額いっぱいまで突っ込めばわずか2000円で〇万円の航空券が手に入る??

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とはいえ、格安航空会社が比較的観光客の少ない道東方面に便を出しているのか?とも思い直し調べてみたところ、なんとちょうど昨年の夏から関西空港~釧路空港が就航したとの事。なんという強運。

この機を逃す手はないので、早速限度額いっぱいまで泉佐野市に寄付を行い、ピーチポイントをゲットします。関西空港~釧路空港を夫婦で往復してもまだまだ残額があるので、残りは沖縄方面の攻城に残しておくこととして、週末に一泊二日の弾丸ツアーを計画し、根室までやってきました。

釧路空港でレンタカーを借りて、信号のない道を2~3時間ドライブしてついに根室到着!
まずは、JR根室駅で百名城スタンプを押してからチャシ跡に向かいます。
根室駅からノツカマフチャシまで車で30分程度かかります。

まずはノツカマフチャシ跡へ。
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ノッカマフチャシは駐車場に車を停めて8分ぐらい歩く必要があります。
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雄大な草原を歩いていきます。
海も空も綺麗です。
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看板がところどころにある以外は何もありません。
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忘れずに碑を撮影。
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いよいよチャシ跡へ。写真じゃ伝わりづらいですが、現地も大差ないです。
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写真の下の方に溝のようなものが走っているのがお分かりでしょうか?
この溝の内側がチャシです。溝はいわば堀のようなものでしょうか。
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え、これだけ・・・?そうこれだけです。
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チャシは基本的に海に面しています。
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二つ目のチャシ跡へ。
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解説板もあります。
和人とアイヌの争いであったクナシリ・メナシの戦いについても触れられています。
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ノツカマフ二つ目のチャシ跡へ。
海に向かって少し盛り上がっているのがお分かり頂けるでしょうか。P6010617

もう少し分かりやすくするとこんな感じ。
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湾になっています。
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チャシ内部からオホーツクの海を望む。
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例によってチャシの外堀にあたる溝。
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写真では伝わりづらいですね・・・
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チャシ跡群の碑と一緒にパシャリ。
いやー本当に伝わりづらいですね・・・
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元来た道を後にします。いやー城はともかくとして絶景でした。天気に恵まれたのもありますが、空気が綺麗だから景色が映えるのかもしれません。
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続いて「ヲンネモトチャシ」へ。
ノツカマフチャシから車で10分程度です。ガイドブックなどの写真でも有名(?)なチャシです。
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ヲンネモトチャシは駐車場から少しだけ歩いたところにあります。
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チャシ跡の碑。
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いよいよチャシ跡へ。こちらは後ろに防波堤などの人工物も映り込んでいてイマイチ風情に欠けます。
雄大さもノツカマフチャシの方が上のような気が・・・?
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「堀」を渡ってチャシ跡に侵入します。
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到着!
やはりこちらのチャシは漁港感が強いです
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ここの堀はノツカマフチャシよりだいぶ規模が大きいです。
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ガイドブックに載っているヲンネモトチャシの遠景を撮影したく、漁港の方まで来てみますが、駐車場は私有地のため入れず。
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頑張って望遠で撮影しますが、漁船が映り込みます。
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拡大してみますが、微妙・・・
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最後に根室駅でもらったヲンネモトチャシの空撮写真です。
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■公式パンフレット

根室市観光協会HPから一式ダウンロードできます。

■城データ
  • 城名        根室半島チャシ跡群<日本百名城No.1>
  • 種別        山城
  • 登城日       2019年6月1日(土)
  • 住所        根室市牧の内127番地(ノッカマフチャシ跡)
              根室市温根元55番地1(ヲンネモトチャシ跡)
  • 電話番号      0153-25-3661(根室市歴史と自然の資料館)
  • スタンプ設置場所  根室市歴史と自然の資料館
              JR根室駅バスターミナル内観光インフォメーションセンター
  • 公式HP      根室市観光協会HP
  • 入場料       無料
  • 駐車場       無料
  • 所要時間の目安   60分程度(ノツカマフ・ヲンネモト両方で)
  • 混雑度       極小
  • 注意点       ノツカマフは見落としやすいので注意
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★☆☆☆☆(防御性能あるのか?)
  • 歴史に浸れる度   ★☆☆☆☆(そもそも歴史が良く分かりません)
  • 他では見れない度  ★★☆☆☆(ただのこんもりした原っぱです)
  • 総合評価      ★☆☆☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★☆☆☆☆(釧路空港から車で2~3時間)
  • 登城のしやすさ度  ★★★★★(山城とはいえ単なる原っぱなので)
  • 分かりやすさ度   ★★★☆☆(解説はそれなりにあります)
  • 景観度       ★★★★★(ノツカマフはなかなか絶景です)
  • 女性と行ける度   ★☆☆☆☆(厳しいでしょう・・・)
  • 総合評価      ★★★☆☆
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