今帰仁城 ~長大な城壁が守る琉球北山王の中心拠点

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■概要

琉球における三国志である三山時代(14~15世紀)において、北山王の中心拠点となった城です。

築城年代は三山時代より前の、12~13世紀だと推測され、伝説の王統である大舜にはじまり長らく北山王の中心拠点でした。中山王の尚巴志の猛攻にも耐え抜きますが、調略により1416年ついに陥落し、北山としての歴に幕を閉じます。

その後、中山王は琉球の北部地域の管理のために北山監守を今帰仁城に設置し、1422年以降監守の居城として今帰仁城を利用します。

1609年に、琉球を支配下に置くために攻め込んだ薩摩藩の島津氏は最初に今帰仁城を攻め、炎上させます。琉球は薩摩藩の支配下となり、1665年(康熙4年)に北山監守も廃止されます。明治の廃藩置県により琉球から沖縄県になりますが、今帰仁城は拝所として、広く県内から参拝者が訪れる場所となります。

■見どころ

「大曲り」と呼ばれる、まるで中国の万里の頂上のような曲がりくねった長大な城壁が1.5kmが見どころです。中山王尚巴志の猛攻にも耐え抜いた石垣を眺めて、三山時代の攻防の歴史に思いを馳せましょう。

<今帰仁城の城壁>
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■写真&散策記

本日はあいにくの雨です。
管理人夫婦が沖縄に来たのは7月上旬で、6月末には一度梅雨は上がっていたのですが、なんと今年は北上した梅雨前線が再び南下してくるという事態になり、沖縄滞在の5日間全て雨という惨事でした・・・
(泉佐野市のふるさと納税の呪いでしょうか?)

海レジャーが無くなった分、攻城を楽しむことにします。
というわけで駐車場に車を停めて散策スタート!
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パンフレットによると、城の外郭から志慶真城郭まで順に攻め上っていくイメージです。
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低い曲がり石垣がうねっています。
最も城の外側にあたる外郭の石垣です。
高さ2m程度と低い石垣が数百メートル程度発掘されていますが、本来は外郭をすっぽりと囲えるようになっていたと思われます。
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大隅の城壁が見えてきます。
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城址碑がありました。
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大隅の城壁をユネスコ世界遺産の碑とともに。
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琉球の城は攻城兵を様々な角度から攻撃できるように屏風のように曲がりくねった城壁となっているものが多いです。(座喜味城など)
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大隅の城壁のアップ。
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「平郎門」と呼ばれる城の本門です。昭和37年の琉球政府時代に復元されています。
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平郎門内側から。
中に兵士が入れるようになっています。
監視?狙撃?用の穴も開いています。
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崩落寸前の石垣たち。城の東側はクバーミと呼ばれる神域になっています。
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平郎門から入って右手に行くと旧道の入り口です。
防衛上の理由から、大きな岩盤の谷間を利用した幅が狭く急峻な登り道を登城路としていました。
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政治的・宗教的儀式に利用されていた「大庭(ウーミャ)」と呼ばれる重要な場所です。
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ついに主郭(俗称本丸)まで来ました。昨年の豪雨により一部石垣が崩落したと思われます。
城内でも最も中心的であった場所です。
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主郭にある「火の神の祠」です。正式名称は、今帰仁里主所(なきじんさとぬしどころ)で、歴代の北山監守が祈願していた火の神です。琉球ではカマドを祀る神として、火の神(ヒヌカン)を各家庭に置き、災厄から家を守ることを祈願する伝統があります。
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次は城内で最も奥に位置する「志慶真(シゲマ)城郭」に向かいます。
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ここも豪雨災害のせいか、石垣が危ない感じになっています。
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主郭の石垣です。かなりの高さがあります。
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志慶真城郭は主郭よりかなり低い位置にあります。階段を下りていきます。
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志慶真(シゲマ)城郭から見上げる主郭。かなりの高度差がありますね。
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志慶真(シゲマ)城郭は城主に仕えた身近な人々が住んだと伝えられています。
かなりの広さですが、発掘調査により4つの建物があったことが分かっています。
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再び主郭に戻ってきます。主郭の建物跡。
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主郭から志慶真城郭を見下ろします。
ここを突破して主郭に攻め込むのは容易ではありませんね。
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こちらも主郭の建物跡と思われます。
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主郭から御内原の方へ抜けていきます。
狭く、食い違い虎口のようになっています。
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「御内原(ウーチバル)」です。女官の生活の場であり、神聖な場所とされていました。
写真に写っているのは、「城内上の御嶽(グスクノウエノウタキ)」と呼ばれる御内原の中でもさらに神聖な拝所です。
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御内原から大隅(ウージョ)を見下ろします。
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大隅(ウージョ)は戦時に備え兵馬を訓練した場所です。
最も高い石垣が使われ、堅牢な造りになっています。
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再び旧道を下りて外郭に戻ります。
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外郭に戻ってきました。ブログを書いていて気づきましたが、大隅の中に行っていないですね。
ネットで調べると一応行けるみたいですが、見落とされがちな隠れスポットのようです。
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外郭の城壁です。
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外郭に日立の木みたいなやつを発見。(全く無関係です)
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外郭にある「古宇利殿内(フイドウンチ)」という祠です。
今帰仁の北東にある離島である古宇利島の方を向いて建っており、旧暦8月になると古宇利島出身の人びとが遥拝に訪れるそうです。詳細な経緯は不明です。
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外郭自体、発掘が昭和50年代と比較的新しく、機能面を含めて良く解明されていませんが、家臣団の住居などがあったとされています。
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これにて今帰仁城散策終了です!

■公式パンフレット

コチラからダウンロードできます。

■城データ
  • 城名        今帰仁城(ナキジングスク)<日本百名城No.98>
  • 種別        山城
  • 登城日       2019年7月4日(木)
  • 住所        沖縄県国頭郡今帰仁村今泊4874
  • 電話番号      0980-56-4400(今帰仁城跡管理事務所)
  • スタンプ設置場所  今帰仁村グスク交流センター(駐車場付近)
  • 公式HP      今帰仁城公式サイト
  • 入場料       有料・400円(大人)
  • 駐車場       無円
  • 所要時間の目安   40分程度
  • 混雑度       小~中
  • 注意点       特になし
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★★★★☆(中山王の猛攻をしのいだ堅牢な造り)
  • 歴史に浸れる度   ★★★☆☆(琉球の歴史はあまり詳しくないですが・・・)
  • 他では見れない度  ★★★★☆(本土では見れない城です)
  • 総合評価      ★★★★☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★☆☆☆☆(沖縄の中でもさらに不便な方ですね)
  • 登城のしやすさ度  ★★★★☆(十分に回りやすいです)
  • 分かりやすさ度   ★★★★☆(解説や案内も豊富です)
  • 景観度       ★★★☆☆(天気が良ければ海が見渡せるとのこと)
  • 女性と行ける度   ★★★★☆(世界遺産ですし十分アリだと思います)
  • 総合評価      ★★★☆☆
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