■概要
丹波の国人衆である塩見頼勝が築城した城で、築城当初は「掻上(かきあげ)城」と呼ばれたが、後に塩見頼勝は、息子の信房に家督を譲ると同時に姓を「横山」に改め、城名も「横山城」に改められました。
織田信長の畿内統一後、信長は羽柴秀吉・明智光秀に中国地方の制圧を命じ、秀吉は山陽方面、光秀は山陰方面から中国方面に侵攻しました
中国侵攻の手始めとして光秀は丹波国の制圧に着手しましたが、横山城主の塩見信房は、黒井城主の赤井氏と八上城主の波多野氏の連合軍に加担したことにより、光秀が赤井・波多野連合軍を打ち破ったのちに攻められ、落城します。
<明智光秀肖像>
丹波平定後、光秀は横山城を「福智山城」に改め、城代に家臣の明智秀満(左馬助)を置いて、近世城郭への大修築を実施します。
後に光秀は本能寺の変で信長を討ちますが、弔い合戦となった山崎の戦いで羽柴秀吉に敗れ、秀満の父が守る福智山城についても秀吉軍に攻められて落城します。
その後、羽柴秀勝・杉原家次・小野木重勝と城主は変わりますが、小野木重勝は関ヶ原の戦いで西軍に与したことにより東軍に所属する田辺城(現在の舞鶴市)の細川幽斎、細川忠興親子によって攻められ、落城します。江戸時代には、主に朽木氏が13代にわたって世襲で城主を務め、明治時代の廃藩置県の際に廃城となります。
■見どころ
東京五輪の2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」の放映が決まった「明智光秀」が丹波国侵攻の拠点とした城です。
明智光秀といえば、本能寺の変における主殺しで有名ですが、今回の大河ドラマのテーマは「家族の絆」だそうです。光秀が本能寺の変を起こしたについては日本史の謎とされていますが、今回のドラマでどのような解釈がなされるのか楽しみです。
「福知山」という町自体、光秀によって開発・発展した町であるため、町のゆるキャラもやはり「光秀くんとひろこさん」です。光秀の妻・煕子(ひろこ)は、貧困だった光秀の浪人時代に、自身の髪を売って明智家の生活を支えたエピソードで有名です。
イラストのタッチに見覚えがあると思えば、あの「忍たま乱太郎」で有名な漫画家・尼子騒兵衛のデザインだそうです。大変失礼ですが、福知山市にしてはかなり奮発したようです。
さて、福知山城の見どころとしては、やはり非常に多く使われている「転用石」でしょうか。
当時築城にあたっては膨大な量の石が必要となりましたが、石がそれほど採れない地域においては、墓石や石像などの石を活用して石垣を築いていました。
大和郡山城においても同様の転用石が見られましたが、福知山城ではこのような転用石を間近で見られることが大きな特徴です。
<福智山城天守石垣に使われている転用石>
■写真&散策記
福知山城は、JR福知山駅や福知山市役所などの市街地からほど近い福知山城公園内にあります。
駐車場は城の東側にありますが、なんと無料です。
駐車場方面から、錦帯橋のパクリと思われる昇竜橋をわたって城内へ向かいます。
(写真では分かりにくいですが、無駄にアーチ橋になってます)
なんと、福知山城で羽生善治名人の竜王戦が行われるようです。
ちなみに福知山城は、城山が竜が伏せているように見えるため、「臥竜城」と呼ばれています。
福知山城は平山城になっているため、城山に向かって登っていきます。
大手門石垣を眺めながら登っていきます。
本丸に到着です。
本丸に移築された、元は二ノ丸登城口にあった銅門(あかがねもん)番所です。
城内唯一の貴重な現存建物です。
天守閣は下二層が年季の入った木造の望楼型天守で重厚感があります。
何より人が少ない!写真撮り放題です。
残念(?)ながら石落としは無いようです。
大河ドラマを誘致した署名活動と思われるあとが・・・
今でも芳名帳になっています。
城内は郷土資料館になっていて、明智家の兜をかぶって記念撮影(無料)ができるスポットがあり、明智ファンにはおススメです。
天守からの風景です。
奥に橋がかかっているのが、福知山城の天然の堀といわれる由良川です。
本丸敷地内にある復元の天守鯱(しゃちほこ)です。
ちなみに鯱をつくる職人は「鬼師」というそうです。かっこいいです。
「日本鬼師の会」って普段どんなことされたてるんでしょうか??
日本一の50mの深さから水をくみ上げる「豊磐(とよいわ)の井」です。
今でも水が出るそうです。
こちらも本丸内にある「鉄砲石」は、鉄砲の名手「牧重郎左衛門」の技量を後世に伝える碑だそうです。
う~ん、知らん。。
ふたたび昇竜橋をわたって駐車場に戻りながら振り返りながらパシャリ。
やはり錦帯橋のパ●リなのでは・・・
- 城名 福知山城(掻上城、横山城)<日本百名城No.158>
- 種別 平山城
- 登城日 2018年8月15日(水)
- 住所 福知山市字内記5番地<福知山市郷土資料館>
- 電話番号 0773-23-9564<福知山市郷土資料館>
- スタンプ設置場所 福知山市郷土資料館
- 公式HP 福知山市公式HP
- 入場料 有料(大人320円)
- 駐車場 無料
- 所要時間の目安 90分程度
- 混雑度 小
- 注意点 特に無し
~城として~
- 難攻不落度 ★★★☆☆(光秀築城の惣構えなのでおそらく堅固なはず)
- 歴史に浸れる度 ★★★★★(大河ドラマに向けて光秀に思いを馳せましょう)
- 他では見れない度 ★★★☆☆(大量の転用石が間近で見られます)
- 総合評価 ★★★★☆
- アクセス性 ★★★☆☆(福知山インターからそれなりに近いです)
- 登城のしやすさ度 ★★★★☆(そんなに広くないです)
- 分かりやすさ度 ★★★★☆(解説も十分にあります)
- 景観度 ★★☆☆☆(天守最上階からの眺めは一応ありますが・・・)
- 女性と行ける度 ★☆☆☆☆(結構しんどいかと)
- 総合評価 ★★☆☆☆
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