■概要
南北朝時代に摂津国人の伊丹氏が築城したお城で当時は「伊丹城」と呼ばれました。その後、織田信長配下の摂津池田城主・荒木村重によって攻め落とされます。荒木村重は、伊丹城を南北1.7km、東西0.8kmの広大な惣構えの城に改修し、「有岡城」と名付けました。その後、村重は信長に反旗を翻して有岡城に籠城し、信長の攻撃から1年にわたって防衛しますが、村重が尼崎城に脱出したことにより、有岡城はあえなく落城します。
信長に謀反を起こした村重の説得のため、有岡城を訪問した秀吉の軍師・黒田官兵衛が、村重によって土牢に監禁された城としても有名です。官兵衛は1年間有岡城の土牢に幽閉され、落城とともに救出されましたが、片足が腐ってしまったといわれています。官兵衛が幽閉されていた土牢の跡地については、色々調べてみましたが、現在では不明だそうです。
<宮下英樹「センゴク天正記」より幽閉中の黒田官兵衛>
■見どころ&写真
当時は広大なお城でしたが、現在は遺構はほとんど残っておらず、JR伊丹駅の駅前にひっそりと本丸跡を残すのみです。当時、本丸跡は伊丹城の東端に位置しており、東側を猪名川が流れていて、天然の堀としていました。
<有岡城の縄張り>
本丸跡はJR伊丹駅前の「主郭」と書かれている部分ですが、城全体は惣構えの広大な敷地でした。
(出典:伊丹市HPより)
有岡城は当時は摂津国の中心だったのですが、現在、伊丹駅を行き交う人々は、有岡城にはほとんど気を留めず、過ぎていっているのが少し寂しい感じがしました。
<JR伊丹駅に向かう人々>
左側の木が茂っているところが本丸跡です。
<有岡城本丸跡と城址碑>
伊丹駅に向かう人通りは多い中、こちらに向かう人はほとんどいません。
<懐古園の碑>
廃城後に城跡の敷地を所有した方が城跡を頑張って保存してくれた記録の碑です。
できればもう少し頑張って保存してほしかったですが・・・
<旧伊丹城主・伊丹元親の句碑(左側)>
駅のタクシー乗り場に建っています。タクシーの運ちゃんたちの喫煙場&ダベリ場になっていましたが、写真を撮ろうとすると避けてくれました。
■事前学習コンテンツ
豊臣秀吉の天下取りを支えた日本史に残る名軍師・黒田官兵衛の一生を描いた作品です。
荒木村重は、田中哲司が演じていますが、とても現代的な風貌になっています。
- 城名 有岡城(伊丹城)
- 種別 平城
- 登城日 2019年3月2日(土)
- 住所 兵庫県伊丹市伊丹1丁目12
- 電話番号 072-784-8090(伊丹市教育委員会)
- 公式HP 伊丹市公式HP
- 入場料 無料
- 駐車場 なし
- 所要時間の目安 30分程度
- 混雑度 小
- 注意点 特に無し
~城として~
- 難攻不落度 ★★★☆☆(当時は難攻不落だったそうですが)
- 歴史に浸れる度 ★★☆☆☆(わずかに本丸跡だけですね)
- 他では見れない度 ★☆☆☆☆(特にありません)
- 総合評価 ★★☆☆☆
- アクセス性 ★★★★☆(JR伊丹駅の目の前です)
- 登城のしやすさ度 ★★★★★(本丸跡は特に広さもないです)
- 分かりやすさ度 ★★☆☆☆(解説板などは一応あります)
- 景観度 ★☆☆☆☆(眺望などはないです)
- 女性と行ける度 ★☆☆☆☆(厳しいと思います)
- 総合評価 ★★☆☆☆
コメント