関ヶ原ウォーランド ~天下分け目の戦いを等身大で体験

■概要

「関ヶ原ウォーランド」という名前がなんとなく感じさせる通り、東海地方に名だたるB級スポットの聖地です。

戦国時代の終わりに日本中の大名が東軍・西軍に分かれて戦った天下分け目の戦いとして有名な「関ヶ原の戦い」が行われた岐阜県関ケ原町にあります。

内容としては、東軍・西軍諸将の配置や合戦模様を等身大の人形で表現した歴史テーマパークで、合戦についての資料が展示された資料館も併設しています。

これだけ聞くと非常にマトモなテーマパークを想像されるかもしれませんが、全然マトモではありません。

まずは関ヶ原ウォーランドの公式HPから拝借した館長の紹介から。

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うーん。。いかにも怪しい雰囲気満載です。
ホームページもなかなか手作り感にあふれています。

実は関ヶ原ウォーランドは公立の施設ではなく、先代館長が自費で設立した「私設」テーマパークです。

先代館長は、先代館長の父から日本人なら誰でも知っている天下分け目の戦いが行われた関ヶ原の地に、合戦の歴史を紹介する施設が一切ないことを憂いて、息子である先代館長に関ヶ原の戦いを後世に伝える施設を必ず設置するよう遺言されたとのこと。

私設だけあって、内容のわりに入場料が少し高いのと、設備の老朽化が目につきます。

ただ、管理人を含め、関ヶ原の戦いを愛する戦国ファンにはぜひ一度訪れて頂きたいスポットであります。

関ヶ原の合戦布陣図は戦国ファンの方であれば良く見られたことがあるかと思いますが、実際に布陣の中に立って体験できる施設はそうそう無いと思います。

関ヶ原の戦いの布陣を縮小したテーマパーク内を散策しながらスピーカーで流れる合戦の解説を聞いていると、合戦当時にタイムスリップしたような錯覚を味わえるかもしれません。

関ヶ原ウォーランドを散策すると、合戦の布陣はいかに西軍有利であったかが分かります。

ランド内の東軍諸将のあたりに立ってみると、周囲は完全に西軍に包囲されており、西軍諸将の裏切りや日和見さえなければ完全に西軍が勝利していたことでしょう。

東軍・西軍それぞれになり切ってランド内を存分に堪能していただきたいと思います。

■管理人の散策記

まずは外観から。
少し古そうな感じであること以外は至って普通です。

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ウォーランドのご案内。

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受付で入場料500円を払っていざ園内へ。
馬さんがいっぱい見えてきます。
このあたりから少し尋常じゃない雰囲気が漂ってきます。

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戦国ストラックアウト&手裏剣体験のコーナー。
ボールも手裏剣も無いのでどのように遊べば良いのか?

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ストラックアウトと手裏剣体験はあきらめて園内へ。
ランド内は合戦の真っ最中です。

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まずは、先陣が決まっていた福島正則を出し抜き、家康の四男・松平忠吉とともに先陣を切った赤備えの猛将・井伊直政の雄姿から。
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そして、直政&忠吉の抜け駆けに怒って西軍・宇喜多秀家に襲い掛かる東軍先鋒・福島正則の背中を追いかけます。右側では岐阜県可児出身の猛将・可児才蔵が敵を組み伏せています。

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西軍の主力・宇喜多秀家は南天満山から福島軍を迎え撃ちます。
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同じく西軍キリシタン大名・小西行長の陣。
こちらは少しやる気が無かったご様子。
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続いて九州薩摩国の雄・島津義弘の陣。
こちらは東軍への夜襲を進言して三成に却下されたため、若干ふてくされ気味です。
攻めてくる敵には応戦するが、自分から出撃はしません。
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西軍の盟主・石田三成本陣です。
旗はちぎれて陣地は荒れ、既に敗戦ムードが漂っています。
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三成本陣に攻めかかるのは愛する妻・ガラシャが三成によって死に追いやられたことに激怒する丹後国主・細川忠興と
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天才軍師・黒田官兵衛の息子・黒田長政。
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三成本陣を守る「三成に過ぎたる」名将・島左近は、黒田隊の鉄砲が命中し落馬。
西軍ピンチ!
狙っていないとは思いますが、背後に見える本物の山が借景になっていて笹尾山にも見えます。
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南側に目を転じると、松尾山に陣取った西軍・小早川秀秋は家康からの脅しにビビって東軍への寝返りを決意したようです。
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松尾山のふもとで小早川秀秋の裏切りを警戒していた西軍・大谷刑部吉継は小早川の大軍をよく守ったが、兵力差はいかんともしがたく自刃。
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東軍の先鋒たちを後ろから東軍の軍目付(いくさめつけ)・本田平八郎忠勝が監視しています。
残念ながら看板は倒れています。
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合戦にはあの宮本武蔵も幼馴染の本位田又八を連れて足軽として参戦しています。
(このあたりはヴァガボンドを読んだ人でないと分からないかも・・・)
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そして、関ヶ原合戦当時はすでにこの世にいなかった戦国最強の武田信玄も「亡霊として」参戦しています。信玄は戦続きの生涯をあの世で後悔していて、東軍西軍に合戦の中止を呼び掛けています。

ちなみに関ヶ原ウォーランドのコンセプトも、「関ヶ原の悲劇を繰り返させない」だそうです。
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こちらは、家康の背後の南宮山に陣取った西軍大将の毛利軍に睨みをきかせた山内一豊。
一豊だけやけに旗が綺麗です。
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南宮山に陣取る西軍大将の毛利軍です。
手前が実は東軍に内通していた毛利家家臣・吉川広家、奥が毛利秀元です。
吉川広家からは、毛利秀元を絶対に西軍に参戦させないという気迫が感じられます。
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ようやく合戦も終わったのでしょうか。
戦いは東軍の圧勝で終わったようです。
今から東軍大将の家康が西軍諸将の首と対面する首実験場に向かいます。
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こちらが首実検場です。
ドキドキ。
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東軍大将・徳川家康が西軍・大谷吉継の忠臣・湯浅五助の首を実検しています。
湯浅五助は、大谷吉継が自刃の際に「自身の醜い首を敵方に渡すな」という遺言を忠実に守り、東軍から追い詰められた際も「吉継の首の代わりに自身の首を持っていけ」と言って最後まで吉継の首のありかを白状しなかったといわれ、家康がこのエピソードに大変感動したと言われます。
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合戦が終わると、最後まで陣から動かなかった西軍・島津義弘は家康の本陣をめがけて出撃すると見せかけて、敵のど真ん中を突破して伊勢路から撤退します(有名な島津の敵中突破)。
その際に、功を焦った松平忠吉が島津勢の松井三郎兵衛に斬られて落馬します。
先陣の抜け駆けをしたバチがあたったのでしょうか。
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これでウォーランド一周完了です。
こんなの見つけました。
びっくりすることに、おばちゃん連中がこれで遊んで盛り上がってました。
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こちらは馬に乗って写真が撮れます。
登りやすいようにちゃんとハシゴがついています。
インスタ映え間違いなしです。
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紅葉の木に吊るしたブランコ。
こんな細い枝に吊るしたら一発で折れると思うのですが。。。
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最後に資料館へ。
手作り感満載の合戦図などがあります。
資料館は団体客の食堂を兼ねているようで、管理人訪問時は団体客でごった返していたのでこの辺で。
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というわけで散策終了!
時間にして小一時間程度でしたが、濃密な一時間でした。

■事前学習コンテンツ

ウォーランドを訪問するための事前学習コンテンツというか、ウォーランド自体が関ヶ原を散策する際の事前学習コンテンツですが、関ヶ原の戦いについて知っておきたい方は以下のコンテンツを推奨。

・司馬遼太郎「関ヶ原」(全3巻)
関ヶ原の合戦前夜から合戦に至るまでの歴史について、「直江状」などの代表的なイベントは歴史に忠実に押さえつつ、読みやすい小説として書かれています。余談ですが、司馬遼太郎は管理人が在住する東大阪に拠点を置いた小説家です(管理人の自宅から徒歩圏内に司馬遼太郎記念館があります)。

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
1974-06-24


映画『関ヶ原』
上記の司馬遼太郎作品の映像化作品で、2017年8月26日公開。
3000人のエキストラと400頭の馬を使い、彦根城や姫路城などの国宝級の建造物をロケ地としてふんだんに使った撮った歴史大作。大迫力の作品であるため、是非、映画館での観覧をおススメしたい。

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・コーエーテクモゲームス「信長の野望 創造 withパワーアップキット」
超有名な歴史シミュレーションゲームですが、本作は歴代シリーズの中でも関ヶ原の戦いシナリオに重点を置いて作られています。ムービーや合戦も充実しており、「自分が関ヶ原の戦いを動かしたい!」という方にはイチオシです。


■歴史スポットデータ

  • スポット名     日本唯一の体験型資料館「関ヶ原ウォーランド」
  • 訪問日       2017年11月25日(土)
  • 住所        岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原1701−6
  • 電話番号      0584-43-0302
  • 公式HP      関ヶ原ウォーランド公式HP
  • 入場料       有料
  • 駐車場       無料
  • 所要時間の目安   1時間
  • 混雑度       中
  • 注意点       個人客は少なめですが、団体客がいるときは急激に客が増えます。

■管理人の勝手な評価

~歴史スポットとして~
  • 難攻不落度     ★★★★★(西軍有利な布陣を体感できます)
  • 歴史に浸れる度   ★★★★☆(天下分け目の決戦に浸りましょう)
  • 他では見れない度  ★★★★★(日本唯一の体験型テーマパークです)
  • 総合評価      ★★★★☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★★★☆(名神関ヶ原インターからほど近い)
  • 散策のしやすさ度  ★★★★★(平坦で、そんなに広くないです)
  • 分かりやすさ度   ★★☆☆☆(解説パネルがありますが、色あせていて見えないものも)
  • 景観度       ★☆☆☆☆(わりと荒れ果てています)
  • 女性と行ける度   ★☆☆☆☆(戦国好きor珍スポット好きな女子であれば・・・)
  • 総合評価      ★★☆☆☆
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