■概要
甲斐を統一した父・信虎を追放した武田晴信(信玄)が甲府盆地の洪水問題を解決するために作った治水施設。甲府盆地は御勅使川(みだいがわ)と釜無川が合流する地点で、大雨になるとすぐに川が氾濫して付近の住民は悩まされていた。甲斐国は甲府盆地という平地に恵まれながらも洪水のせいで農業が育たず貧困であったが、信玄堤により洪水問題が解決し、その後飛躍的に農業が発展し、戦国最強大名・武田信玄の台所を支えていくことになる。
信玄はまず流れる方向の定まっていなかった御勅使川の流れを堤防でまっすぐに固定し、「将棋頭」と呼ばれる石組で御勅使川の流れを二分することによって水勢を弱めてそれぞれ釜無川に合流させた。御勅使川と釜無川とが合流した水流はさらに高岩と呼ばれる大岩にぶつけさせて水勢を削いで下流に流し、下流の堤防には上流からの流れを削ぐ「聖牛」と呼ばれる装置を複数設置し、そこでも水勢を弱めた。また、堤防には洪水時にあふれた水を吸収させるための水防林に導く「出し」と呼ばれる設備を設置するなど、何重もの設備で両川の流れをコントロールする当時としては画期的な複合治水設備だった。
■見どころ
信玄堤のあるところは現在は信玄堤公園という河川敷公園になっていていつでも散策が可能。
公園には、堤防や水勢を弱めるための木と石を組み合わせた設備である「聖牛」を見ることができる。
管理人が行ったときは、通行禁止が貼られていたので行けていないが、公園をさらに上流方面に行くと「高岩」もみることができるとのこと。通行可能となっていれば、是非あわせて見ておきたい。
■あわせて巡りたい
・武田氏館(躑躅ヶ崎館)(日本百名城No.24)
信玄堤を築いた甲斐国守護・武田信玄の居館
■事前学習推奨コンテンツ
・大河ドラマ「武田信玄」
武田信玄の半生を描いたドラマ。
14話で竜王の堤が決壊して多くの領民が犠牲になるシーン、24話で信玄堤が完成した報告を受け甲斐から洪水が無くなることを感慨深く信玄が語るシーンがある。
■施設データ
- 施設名 信玄堤(信玄堤公園)
- 訪問日 2017年8月23日(水)
- 住所 山梨県甲斐市竜王1989
- 電話番号 055-278-1669(甲斐市役所)
- 公式HP 甲斐市公式HP
- 入場料 無料
- 駐車場 無料
- 注意点 特に無し
~歴史スポットとして~
- 歴史に浸れる度 ★★☆☆☆(信玄の偉業ではあるが割と普通の河川敷です)
- 他では見れない度 ★★☆☆☆(ぜひ「高岩」を見ておきたい)
- 総合評価 ★★☆☆☆
- アクセス性 ★★★☆☆(中央道双葉スマートICからすぐ)
- 分かりやすさ度 ★★☆☆☆(解説、案内はあまり充実していません)
- 景観度 ★★☆☆☆(普通の河川敷だが、富士山が見えるかも?)
- 女性と行ける度 ★☆☆☆☆(意味が分からなければ普通の河川敷公園)
- 総合評価 ★★☆☆☆
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