■概要
鎌倉時代の甲斐守護職によって建立された寺であるが、武田信玄が自身の菩提寺として再興を図った。
住職の快川和尚は、伝統を重んじず徹底した合理主義者だった織田信長とソリが合わず、武田信玄によって岐阜から呼び寄せられ、恵林寺の住職として信玄に師事されることとなった。快川和尚は、武田家の外交層としても活躍したほか、信玄の嫡男・太郎義信が謀反の罪によって東光寺に幽閉された際は信玄・義信の間の調停も行っている。
信玄が上洛(西上作戦)の途上で死んだ後は、3年間その死が秘密にされ、3年後にこの恵林寺にて快川和尚を導師、勝頼を喪主として葬儀が営まれている。織田・徳川の甲州征伐によって武田家が滅亡したのちに、信長は恵林寺を攻め、寺に潜伏していた者の引き渡しを命じたが、快川和尚はこれを拒否したため焼き討ちされ、恵林寺は焼失した。その後、武田家滅亡後の甲斐を治めることとなった徳川家康によって再建された。
■見どころ
信長によって焼き討ちされた際に、快川和尚が火に包まれる恵林寺三門にて座禅を組み「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言いながら焼け死んでいったことは有名である。三門については必ず見ておきたい。
また、武田信玄の墓所があることで有名であるが、現在は、信玄の月命日(12日)以外は開放されていないので、お参りされる方は注意されたい(外側からチラ見することは可能)。信玄墓所の背後には武田家臣団の供養塔が70体建っている。
その他に信長が比叡山焼き討ちを行った後に信玄が比叡山の支援を表明したことから、比叡山より贈られた武田不動尊や、外敵からの侵入を防止するため歩くと「キュッキュッ」とウグイスの鳴き声のような音が鳴るウグイス廊下があるなど、見応え十分の寺である。寺としても石庭や庭園など風情があってとても癒される。
また、境内には、風林火山の旗や信玄愛用の鞍などが展示されている信玄公宝物館がある。
個人的には、武田神社の宝物館に比べるとややコンテンツ不足感があったが、信玄ファンの方は訪問の価値がある。ちなみに寺と宝物館は別料金(共通券あり)。
<信玄公宝物館:チケット売り場の猫>
<おまけ2:付近のみやげ屋「信玄館」の信玄像>
・大河ドラマ「武田信玄」
戦国最強・武田信玄の半生を描いたドラマ。
恵林寺に川浦温泉を発掘を命じる様も描かれています。
■あわせて巡りたい
・川浦温泉 山県館
信玄が恵林寺に命じて掘らせた武田軍団の湯治場。信玄直筆の川浦湯屋造営の下地状も展示されている。
武田めぐりの旅の疲れを癒す場所としてどうぞ。
■施設データ
- 施設名 乾徳山 恵林寺
- 訪問日 2017年8月23日(木)
- 住所 山梨県甲州市塩山小屋敷2280
- 電話番号 0553-33-3011
- 公式HP 恵林寺公式HP
- 入場料 有料(寺・宝物館別料金:共通券あり)
- 駐車場 無料
- 注意点 信玄公墓所の公開は月命日(12日)のみ
~歴史スポットとして~
- 歴史に浸れる度 ★★★★★(戦国最強・武田信玄が眠る菩提寺です)
- 他では見れない度 ★★★★☆(寺自体も風情があって大変良いです)
- 総合評価 ★★★★★
- アクセス性 ★★☆☆☆(山梨の少し奥地にあります)
- 分かりやすさ度 ★★★★☆(解説、案内パネルもたくさんあります)
- 景観度 ★★★★★(庭園も含め、風情のあるお寺です)
- 女性と行ける度 ★★★★★(問題ないでしょう)
- 総合評価 ★★★★☆
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