概要
室町時代に奥州大名・畠山氏(二本松氏)によって築かれた平山城です。
戦国時代に入ると当主・二本松義継は領土拡大をめざす伊達政宗からの猛攻を受けることとなります。義継は降伏を申し入れると見せかけて政宗の父であり隠居の輝宗を訪問し、輝宗を拉致しますが、輝宗を二本松城に連行する間に政宗によって輝宗もろとも射殺されます(粟ノ巣の変事)。その後、義継の跡をついだ幼い国王丸は、政宗による弔い合戦の猛攻をよく防ぎ、援軍の佐竹義重・相馬義胤らの加勢があったことも幸いして政宗を一旦撃退(人取り橋の戦い)しましたが、その後内通者が出たことによりあえなく陥落しました。
政宗は有力家臣だった片倉小十郎と伊達成実を城代として送り込みましたが、大崎葛西の一揆鎮圧にあたって豊臣秀吉より疑いを掛けられて仙台の北にある岩出山城に移封となり、二本松領も召し上げられました。
その後、蒲生氏郷が二本松領を治めることとなりますが、後に上杉景勝が越後より会津に入封するなど城主は次々にかわり、江戸時代に丹羽光重(長秀の孫)が入封し、大改築を行い、城の中心も山頂の本丸から山麓の居館に移ることとなります。
見どころ
平山城とはいえ麓と頂上の標高差は120mあり、頂上からは二本松や仙道筋の街並みが綺麗に見えます。東北最強の伊達政宗をもってしても正攻法では落とせなかったことから、相当の堅固な城であったと想定されますが、実際に山頂本丸を訪問してみると容易に陥落できなかったのが良くわかります。
時間の無い方は山頂本丸のすぐ近くに乙森駐車場があるため、いきなり本丸に行ってしまってもよいですが、できれば山麓の城山第1駐車場に停めて、丹羽氏が江戸期に作った山麓の施設(箕輪門)や御殿跡付近を散策しつつ、足で山頂本丸まで登って頂くのが、難攻不落ぶりが体感できておススメです。
山頂の本丸に走って登っているスポーツマンも多数いて、地元民のトレーニングコースにもなっているようです。(逆に山頂付近に城の観光者は少ないので写真撮り放題)
公式パンフレット
事前学習コンテンツ
12話「輝宗無残」で、二本松義継による伊達輝宗拉致(粟ノ巣の変事)が描かれており、このドラマの前半の見せ場になっています。
あわせて巡りたい
伊達家の猛将・鬼庭左月が奮戦のうえ討ち死にした二本松城を巡る合戦跡地です。
城データ
- 登城日 2017年8月19日(土)
- 住所 福島県二本松市郭内4丁目
- 電話番号 0243-23-1111(二本松市教育委員会)
- 公式HP 二本松城公式HP
- 入場料 無料
- 駐車場 無料
- 所要時間の目安 150分程度
- 混雑度 小
- 注意点 山頂に近い乙森駐車場へは少し悪路です
管理人の勝手な評価
~城として~
- 難攻不落度 ★★★★★(伊達政宗でも落とせなかった堅城)
- 歴史に浸れる度 ★★★★☆(二本松城を巡る攻防の歴史に思いを馳せましょう)
- 他では見れない度 ★★★★☆(標高120mの平山城です)
- 総合評価 ★★★★☆
- アクセス性 ★★★☆☆(二本松インターからほど近い)
- 登城のしやすさ度 ★★★☆☆(乙森駐車場まで車で行けば楽勝)
- 分かりやすさ度 ★★☆☆☆(解説パネルや案内は少ない)
- 景観度 ★★★★☆(二本松市街地を一望できます)
- 女性と行ける度 ★☆☆☆☆(歴史のロマンがわかる人でないと厳しい)
- 総合評価 ★★☆☆☆
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