名古屋城 ~徳川家康が息子に贈った天下普請の巨城

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■概要

駿河国主であり、今川義元の父・氏親が尾張進出のために築いた城・柳ノ丸が起源である。織田信長の父・信秀は、氏親よりこれを奪取し、那古野城と名前を改める。その後、信秀は那古野城より南へ数キロの古渡城に本拠地を移し、那古野城は信長に与える。信秀の死後、信長は尾張清洲城主の信友を殺害して分裂していた織田家の家督を統一し、清州城に本拠を移す。その後、信長は美濃国・斎藤氏を滅ぼして岐阜城に本拠を移すと、那古野城は廃城となる。

その後長らく、尾張国の中心拠点は清州城であったが、関ヶ原の戦いの後、徳川家康は那古野城の跡地に新たに「名古屋城」を築城し(全国の大名に築城を分担させる「天下普請」であったといわれる)、子の義直に与える。義直は清州にあった施設をすべて名古屋城下に引っ越しをさせ、その後、名古屋城は長らく尾張の中心拠点として発展し、現在に至る。

■見どころ

織田信秀・信長が築いた那古野城は、現在の名古屋城の二の丸付近であったとされるが、残念ながら遺構などは残っていない。

名古屋城の見どころといえば、なんといっても巨大な天守閣である。

<天守閣>
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再建天守ではあるが、日本にある城の天守の中では大阪城の次に大きい(高さ36m)ため、下から見上げたときの迫力を堪能していただきたい。名古屋といえば金のシャチホコで有名であるように、派手好きな県民性を象徴している城であるといえる。ちなみに、天守閣はエレベーター・エアコン完備のコンクリート再建天守であり、夏の登城には非常にありがたい存在であるが、何か少し虚しい気分になるのも否めない。

<左側についているのが屋外エレベーター>
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<天守閣案内図:5階まではエレベータで登れる親切設計>
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(名古屋城公式HPより)

本丸御殿については、再建中であり、現在も一部中を観覧することができる。
御殿は、天守閣再建の反省(?)を生かしてか、木造で緻密に再現しているところだそう。
なんと入場時には土足厳禁のほか、リュックも前掛けをさせる徹底ぶりである。

コテコテの名古屋弁で有名な名古屋市の河村たかし市長は、天守閣についても木造で再建を計画しているとの発表をしているため、今後に期待したいところである。(さらに、二の丸に那古野城も再建して頂けると、非常にありがたい)

<再建中の本丸御殿内部>
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ちなみに名古屋城の設計は、オーソドックスな四角形の構造であり、本丸までのルートも分かりやすく作ってあるため一見非常に攻めやすそうにみえるが、実は日本一二を争う防御力を誇った要塞であったとのこと。

戦国時代の城は、月山富田城のような途方もない山城や、迷路のように複雑な熊本城のような平山城を経て、最終的に名古屋城のようなシンプルかつ巨大な平城に行きついたとされる。月山富田城のような山城はいくら堅固であっても城攻めの際には毎回城下町を焼かれてしまう上に居住性も低いため論外であり、熊本城のような城は本丸までのルートを複雑にしている分これも居住性が低く、しかも敵の侵攻ルートを把握しづらいため、かえって防御しにくいという欠点があった。名古屋城は城下町を中に入れた総構えであり、しかもシンプルな構造であるため敵の侵攻ルートを把握しやすい。また、巨大な深い堀と高い石垣に守られているため、敵はオーソドックスに門から攻めるしかない。門に攻め寄せてきた敵を、縦横に張り巡らされた多聞櫓からの集中砲火で叩いてせん滅するという至極シンプルな防御方法をとっており、近世城郭の最終形といえる。

ただし、これだけ巨大な城郭を作るのには非常な労力とお金が必要であっただろうから、全国の大名に築城を分担させる「天下普請」と呼ばれる方法を採用できた天下人・家康ならではの城普請であったといえよう。

<見上げる天守閣>
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<天守閣内部の展示(昔の街並みを再現)>
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<西南隅櫓と天守閣>
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<正門付近に展示されている金鯱>
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<公式パンフレット>
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■あわせて巡りたい

定光寺(愛知県瀬戸市)
尾張徳川家の菩提寺であり、初代名古屋城主徳川義直の墓所である。
名古屋城からは少し遠いが、風情のある穴場スポットであり、是非おススメしたい。

■100名城スタンプラリーの方は

・犬山城(No.43)
こちらは現存12天守の一つであり当時のたたずまいを味わえる。コンクリート復元天守・エアコン完備の名古屋城との両極端ぶりを対比してみるのも一興。

■城データ

  • 城名        名古屋城(那古野城)<日本百名城No.44>
  • 種別        平城
  • 登城日       2017年8月16日(水)
  • 住所        愛知県名古屋市中区本丸1番1号
  • 電話番号      052-231-1700
  • スタンプ設置場所  正門改札所、東門改札所(いずれも城内)
  • 公式HP      名古屋城公式ウェブサイト
  • 入場料       有料
  • 駐車場       有料
  • 所要時間の目安   120分程度
  • 混雑度       大
  • 注意点       特に無し

      ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★★★★★(見えないですが、難攻不落です)
  • 歴史に浸れる度   ★☆☆☆☆(戦国ファンには微妙?)
  • 他では見れない度  ★☆☆☆☆(巨大ではあるが・・・)
  • 総合評価      ★★☆☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★★★★(名古屋の中心部からほど近い)
  • 登城のしやすさ度  ★★★★★(エレベータ・エアコン完備)
  • 分かりやすさ度   ★★★★★(解説パネル・アナウンスなど多数)
  • 景観度       ★★★★☆(名古屋の街を見下ろせます)
  • 女性と行ける度   ★★★★☆(一般女性でもOKかと)
  • 総合評価      ★★★★☆
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