■概要
元は室町時代に守護大名・今川氏が築城した城であり、今川家の宿老である朝比奈氏が代々城代を努めた。今川家全盛期の義元時代には、太原雪斎・岡部元信と並ぶ重臣である朝比奈泰能（やすよし）が城代を努めた。しかし、今川氏は、義元が桶狭間の戦いで織田信長に敗れた後に急速に衰退し、義元の嫡男・氏真の時代に甲斐の武田信玄、三河の徳川家康に挟み撃ちにあい、氏真は駿府を追われ、掛川城に逃げ込んでくる。
家康に掛川城を包囲された当時の城代・朝比奈泰朝（泰能の子）は、氏真の身分の安全保障を確認すると開城降伏し、氏真とともに北条氏の治める小田原城に落ち延びる。その後は、家康が重臣・石川家成を送り込んで統治するが、家康は豊臣秀吉の小田原征伐後に北条亡き後の関東に移封され、秀吉子飼いの山内一豊が大名を努めることとなる。その後、関ヶ原の戦いの論功行賞で一豊は土佐の大名に栄転し、江戸時代では掛川城は関東に通じる重要拠点として、徳川譜代の大名が入れ替わり治めることとなった。
■見どころ
駿府城と同様、今川家に関する遺構や資料は存在しないため、戦国ファンにとっては少し残念であるが、他でなかなか見れないものとして現存の「御殿」がある。現存する天守は１２城あるが、御殿が現存するのはわずか４城（本丸御殿：高知城、川越城、二の丸御殿：掛川城、二条城）しかない。
＜掛川城御殿＞
（掛川市公式HPより）
管理人がおススメするゲーム「信長の野望 創造」でも天守を改修して御殿を建てることができるが、実際の御殿はこんなものかと味わって頂ければ幸いである。
防御機能としての「天守」と、政治・居住機能としての「御殿」の二つを楽しめる城である。天守閣も再建天守ではあるが、木造再建である。戦国の世の終焉とともに、防御機能より政治機能や居住性に重点を移していった過渡期を味わえる城である。あと、なにげに、大手門の番所が現存なのも全国的に珍しいそう。
もう一つみどころとしては、大河ドラマ「武田信玄」で北条氏康を演じている名時代劇俳優「杉良太郎」が個人所有していた掛川城主の甲冑が寄贈・展示されている。杉良太郎は「時代劇俳優としては甲冑の一つも持たなければ」と思い立って購入したらしいが、展示している部屋の空気が重くなりすぎて、結局手放すことにしたそう（若干違うかも？）。やはり、甲冑には武将の魂や怨念のようなものが宿り続けているのだろうか。（戦国好きの管理人とはいえ寝室にホンモノの甲冑を飾る気にはなれませんが・・・）
＜「武田信玄」で北条氏康役を演じる杉良太郎＞
＜杉良太郎寄贈の歴代掛川城主甲冑（御殿）＞
＜公式パンフレット＞
＜大手門＞
＜大手門番所＞
＜四足門（本丸の入り口）から眺める天守閣＞
＜本丸から見上げる天守閣＞
＜十露盤（そろばん）掘（本丸内堀：算盤っぽい形？）＞
＜天守閣へ続く階段＞
＜天守閣＞
＜天守閣壁面に設けられた忍び返し＞
＜天守閣内の武者隠し＞
＜本丸狭間（二の丸方面へ）＞
＜二の丸御殿内部＞
- 城名 掛川城（懸川城、懸河城、雲霧城、松尾城）＜日本百名城No.42＞
- 種別 平山城
- 登城日 2017年8月24日（木）
- 住所 静岡県掛川市1138-24（公園事務所）
- 電話番号 0537-22-1146（公園事務所）
- スタンプ設置場所 掛川城御殿
- 公式ＨＰ 掛川城公式ＨＰ
- 入場料 有料（大人410円）※天守閣・御殿共通
- 駐車場 有料（大手門Ｐ）
- 所要時間の目安 120分程度
- 混雑度 小
- 注意点 特に無し
～城として～
- 難攻不落度 ★★☆☆☆（天守閣はなかなか攻めにくそうですが）
- 歴史に浸れる度 ★★☆☆☆（木造再建天守+現存御殿、今川関連がもう少しあれば）
- 他では見れない度 ★★☆☆☆（現存御殿は他では見れません）
- 総合評価 ★★☆☆☆
- アクセス性 ★★★★☆（掛川駅・東名高速からも近い）
- 登城のしやすさ度 ★★★★☆（天守閣の階段ありますが、大したことないです）
- 分かりやすさ度 ★★★★☆（解説豊富）
- 景観度 ★★★☆☆（天守閣からの景色はまあまあ）
- 女性と行ける度 ★★★★☆（御殿内部は風情もあってデートにも良いかと）
- 総合評価 ★★★★☆
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