安土城 ~信長が天下に号令した幻の城

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■概要

いわずとしれた織田信長が自身の本拠地として琵琶湖畔に築いた山城であり、天下に号令するためのシンボルとした絢爛豪華な城であったといわれる。

信長が天下統一を控えた1576年(天正四年)に建造し、三年後の1579年(天正七年)に完成したが、さらに三年後の1582年(天正十年)に明智光秀による謀反(本能寺の変)後の混乱の中で、惜しくも焼失。

当時日本に滞在していた宣教師ルイス・フロイスによると「ヨーロッパには無い壮大な城」であると記されている。残っている設計図などによると、天守閣に吹き抜けや吹き抜けに作りつけられた能舞台・橋が存在していたとされるなど、当時の城としてはとても先進的かつ特異な構造であったといわれるが、いかんせん現存していないので様々な学者の構造についての説が分かれており、謎多き城と言われる。

■見どころ

羽柴秀吉邸・前田利家邸、黒金門虎口、本丸、天守台は必ず見ておきたい。さらに、安土城から車ですぐ近くにある「信長の館」についても是非訪れておきたい。信長の館では、安土城の5階6階部分の再現建築のほか、内部を再現したVRシアターを見ることができる。実際の安土城を訪問したあとに訪問すれば、さらに歴史に思いを馳せることができる。信長が安土城に求めた宗教世界や特異性については信長の館で補完しないとイメージがわかないと思われるので、ぜひセットで回っておきたいところ。

あと、帰り道にある総見寺三重塔や二王門については当時の建築のままでありとても貴重。ぜひ訪れて見ておきたい。

■管理人の散策記

山麓の多目的駐車場(無料)に停めて大手口より散策を開始。

なお、駐車場は無料だが、駐車場付近にあるトイレは、ガイダンス施設への入場料(大人200円)を払わないと入れないので、トイレは駐車場に入るまでに済ませておくのが吉。

大手口には両サイドに虎口があり、奥には安土城築城当時の石垣を見ることができる。
なお、真ん中の大手口は天皇陛下が来られた際の入り口に作られたもので、日常は東西の虎口を入り口として使っていた模様。

<大手西虎口遠景>
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<大手西虎口奥にある当時の石垣>
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<大手東虎口のアップ>
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<大手東虎口奥にある当時の石垣>
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大手口を登るとすぐ受付があります。
ここで、入場券を購入して登城します。
なお、入場料は徳川家康屋敷跡にある総見寺の特別拝観込みで1200円、城巡りのみであれば700円と少々お高い。管理人は城巡りのみ(700円)を選択。

石段を登って本丸方面に向かいます。
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入り口から少し登ったところの左側に羽柴秀吉の屋敷跡、右側に前田利家屋敷跡が大手道を守るように建ています。

こちらが左側にある羽柴秀吉屋敷跡
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2階建てのかなり豪華な作りです。
1階部分は厩で、馬6頭を停めることができるとのこと。
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武者走りを通って2階部分へ。
イベントか何かをやっていたのか、能舞台があります。
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道をはさんで右側が前田利家屋敷跡。
羽柴秀吉邸より狭く、日当たりも悪いです。
両者の力関係もあるのでしょうか?
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発掘調査で見つかった木樋(家屋の排水を行うもの)
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大手道に戻って石段を登っていきます。
石段のところどころに、「石仏」があります。これは、信長が安土城築城当時に大量の石を必要とするが、近隣の石だけでは足りず寺から仏像や墓石まで持ってきて築城に用いたといわれています。

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さらに登ったところにある武井夕庵邸跡
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信長の嫡男・織田信忠邸跡。
大手道と現在は帰り道となっている百々橋口からの道と、天守・本丸に向かう尾根道とが合流する要部にあります。羽柴邸よりいくぶん狭い気が・・・
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信忠邸から尾根道を登っていくと黒金門が見えてきます。
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尾根道の途中に森蘭丸邸跡発見!
やはり天守に最も近い場所にありますね。
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黒金門跡
虎口になっていて防御性があります。
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黒金門から見える二の丸石垣
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仏足石
お釈迦さまの足跡をかたどった石です。
石垣跡から発掘されたことから、石仏同様、築城にあたり寺から徴収したものと言われています。
バチ当たりというか、合理的というか。

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やっと本丸跡に到着!
ここには京都にある清涼殿と寸分たがわない御殿が建てられていて天皇陛下をお迎えする予定だったとか。
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本丸から見る天守台石垣。
信長は本丸に天皇陛下を住まわせて、自身はさらに高い天守台に住もうとしたと言われます。
自身を絶対権力者として位置付けたかったのでしょうか。

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本丸より天守閣跡へ向かいます。
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天守閣跡。
礎石跡が残ってますが、中央に礎石が無かったことから吹き抜け構造だったのではないかと言われます。
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天守閣から眺める琵琶湖。
間違いなく、信長が眺めた景色と同じです。
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二の丸跡へ。
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二の丸跡の奥に信長公を祀っている本廟があります。
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二の丸から帰り道(百々橋口方面)へ。
総見寺本堂跡です。城郭中枢部にこれだけ大きな寺院を建てたのはあとにも先にも信長だけだそうで、自身の菩提寺にしたそうですが、江戸時代火事で焼失し、現在の大手道・徳川屋敷跡に移築。
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三重の塔は1604年に修復したときのまま残っているそうで、歴史を感じます。
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帰り道をさらに行ったところにある総見寺二王門。
こちらも当時の建築物として残っています。
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ここから百々橋口の方面へ下りていきますが、百々橋口へ行く道は現在通行止めになっているため、左に折れてそのまま歩くと大手道の羽柴秀吉邸に戻ってくることができます。

<公式パンフレット>
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■あわせて巡りたい

・安土城天主「信長の館」
安土城天守5階6階部分の再現のほか、安土城の当時の城郭全体を体感できるVRシアターがあります。
是非安土城とセットで訪れたい。100名城スタンプ設置場所です。

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■100名城スタンプラリーの方は
・観音寺城(No.52)
  車で10分程度で行けるので、必ずセットで回られたい。
・彦根城(No.50)
  車で湖北へ30分程度。

■城データ

  • 施設名       安土城跡<日本百名城No.51>
  • 登城日       2017年10月8日(土)
  • 住所        滋賀県近江八幡市安土町下豊浦(観音正寺)
  • 電話番号      0748-46-2142(総見寺)
  • 公式HP      滋賀県観光サイト
  • 入場料       有料
  • 駐車場       無料
  • 所要時間の目安   120分程度(信長の館含む)
  • 混雑度       大
  • 注意点       安土城入り口のトイレは有料。信長の館で事前に済ませておきましょう
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★★☆☆☆(防御性はそれほど感じられません)
  • 歴史に浸れる度   ★★★★☆(信長の天下布武に思いを馳せましょう)
  • 他では見れない度  ★☆☆☆☆(城跡自体は割と普通かも)
  • 総合評価      ★★★☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★★☆☆(名神竜王インターからすぐです)
  • 登城のしやすさ度  ★★★★☆(長い石段ですが、ちゃんと整備されています)
  • 分かりやすさ度   ★★★★☆(解説豊富。山城で入場料とるだけあります)
  • 景観度       ★★★★★(山頂及び三重塔からの眺望良し)
  • 女性と行ける度   ★★★★★(信長はメジャーですし整備状況・眺望も良いので)
  • 総合評価      ★★★★☆
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