■概要
年代は不明だが、戦国時代よりずっと前に近江の名家である佐々木六角氏によって築城された城。
六角義賢は戦国時代において大規模な改修を行うが、足利義昭を将軍に奉じて上洛する信長に反抗(観音寺城の戦い)して破れ、本拠地であった観音寺城を捨てて逃亡し、その後廃城となる。
「観音寺」という名の示す通り、本丸に行く途中の山の中腹に「観音正寺」という寺がある。
観音正寺は、西国三十三か所三十二番札所の由緒正しいお寺だが、戦国時代に六角義賢が観音寺城を修復する際に谷の方に追いやられた(廃城後に再び山に復帰)。
繖山(きぬがさやま)と呼ばれる山全体に1000以上の曲輪を配置した国内最大級の山城であるが、意外にも防御性は考慮されておらず、六角義賢は信長に攻められた際に、支城の箕作城が秀吉によって落とされると観音寺城で籠城戦を行うことなく、城を捨てて逃亡した。
■見どころ
防御性があまり考慮されていないのが残念なところだが、山全体に石垣などの遺構がふんだんに残っているので、じゅうぶんに戦国時代に思いを馳せることができる。1000の曲輪をすべて見ること不可能なので、観音寺城の写真によく登場する、平井丸の巨大な虎口や、本丸の食い違い虎口、長束屋敷跡近辺の井戸跡などの主要なスポットは必ず見ておきたい。
■管理人の散策記
観光ルートとしては、林道を通って山の中腹にある観音正寺の駐車場に車を停めてそこから石段を登って城攻めするのがおススメ。ただし、林道および観音正寺は両方とも有料で金額も結構高い(林道:600円/台、寺:500円/人)。
観音正寺の受付の人いわく、大仏横の柵から本丸→平井丸と行って戻ってくるルートが一般的とのこと(だいたい片道15~20分程度)。
それ以外の曲輪も行けないことはないが、草木がうっそうと茂っていて結構大変なのでおススメしないとのことなので、管理人も本丸・平井丸のみ行って戻ってくることに。
山の中腹にある観音正寺にある駐車場に停めて出発!
ちなみに駐車場という林道通行料を取られます(600円)。
ここから石段を300mほど登ります。
石段の脇にもちらほら石垣跡が。
観音正寺へ到着!
左側の受付で入山料(500円/人)を払って、境内へ。
受付でもらえるルート図と城の説明。
寺~本丸~平井丸~寺のルートがおススメとのこと。
城には関係ありませんが、本堂横にある石仏群は見ごたえありです。
本丸より桑実寺方面、伝長束屋敷跡付近にある井戸。
今でも水が湧き出ています。
本丸よりやや戻って分岐を折れて進んだところにある平井丸跡。
巨大な虎口で有名。
平井丸南虎口の正面にある伝落合屋敷跡。
草木がうっそうとしています。
落合屋敷の跡は草木がうっそうとしていて困難そうだったので、そのまま観音正寺経由で駐車場に戻り、車で下山。本当は山のふもとにある六角屋形跡にも行きたかったのですが、車で行こうにも道が狭く行けませんでした。車で屋形跡に行くのであれば、山の中腹にある観音正寺Pには停めずに、ふもとにあるお土産の石寺楽市に停めて屋形跡を見物し、そこからオール徒歩で石段を登って観音正寺まで行くのがよろしいかと(結構しんどいと思いますが)。
車で10分程度で行けるので、必ずセットで回られたい。
■城データ
- 施設名 観音寺城跡(観音正寺)<日本百名城No.52>
- 登城日 2017年10月8日(土)
- 住所 滋賀県近江八幡市安土町石寺2(観音正寺)
- 電話番号 0748-464-2549(観音正寺)
- 公式HP 滋賀県観光サイト
- 入場料 有料
- 駐車場 有料
- 所要時間の目安 120分程度(駐車場~観音正寺~本丸~平井丸~観音正寺~駐車場)
- 混雑度 小
- 注意点 草木が茂っているのでトレッキングに適した服装を!(最低限、長袖長ズボン+滑り止めのある靴)。
~城として~
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