水城 ~唐・新羅の侵攻から大宰府を守る長城

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■概要

朝鮮半島で行われた「白村江の戦い」(唐・新羅vs日本・百済)で大敗した日本軍が、勝ちに乗じて唐・新羅軍が日本に侵攻してくることに備えて築城した城の一つです。

同時期に作られた城は、大野城(福岡県)・水城(福岡県)・基肄城(佐賀)・鞠智城(熊本)で、それぞれ玄界灘や有明海からの侵攻から、西国政治の中心地である大宰府政庁を防衛する形で作られました。

水城は、福岡平野が最も狭くなる部分をふさぐように設置された幅1.2キロ、高さ12mの大規模な防壁で、両端の山には大野城・小水城を配し、玄界灘(博多湾)からの侵攻を監視していました。

<唐・新羅軍の想定侵攻ルートと大和朝廷の防衛ライン>
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<水城城のイメージ>
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(水城跡公式パンフレットより引用)

■見どころ

一般的な城郭ではなく、1.2キロという長大な長さの防壁なので、他の百名城・続百名城とは一線を画したお城であると言えるでしょう。イメージ的には、モンゴル民族から中国を守るために作られた「万里の長城」が近いでしょうか。水城を散策すると、当時の大和朝廷がいかに唐・新羅の侵攻に脅威を感じていたかが良くわかります。

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■写真&散策記

まずは最寄り駅であるJR鹿児島本線水城駅からのスタートです。
読み方が「みずじょう」ではなく「みずき」であるとここで知る人も多いのではないでしょうか?
ちなみに、続日本百名城のスタンプは水城駅でも押せます。
(改札の駅員さんに言えば出してくれます)
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駅を東口に下りて少し南下するとすぐに水城跡の土塁が見えてきます。
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水城の土塁です。
ここは水城の土塁の断面の構造が分かるように、断層が展示されている「土塁断面広場」です。
土塁の中央の防空壕になっているあたりが断層の展示です。
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解説板。
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頂上には水城の城址碑が立っているのが見えます。
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城址碑にアクセスしてみようと思って登ってみましたが、なぜか立入禁止。
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仕方なく土塁のあたりをぐるっと散策してみます。
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土塁の途中当たりでは、階段も用意されていて登ることができます。
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再び断面広場に戻っていきます。
右側は自動車教習所になっています。
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再び土塁断面広場へ。
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あれ、もしかしてこれで終わり?
水城駅を下りてから30分も経ってないけど・・・
と思ってネットを見ていたら、どうやら水城のメインは、水城の東端にあたる東門跡だそう。

しかも、直線でいけば1キロもないのでしょうが、高速道路・川・鉄道の3つを超えていかないといけないので、結構な遠回りになるそう。(1.5キロぐらい)

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本日は電車移動なので、東門までてくてく歩いていくことに。
振り返ってみると、水城がJRと道路で左右に分断されているのが分かります。
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九州自動車道の高架をくぐっていきます。
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牛頸川を渡って、更に西鉄の高架をくぐっていきます。
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そこから少し北上していきます。
右側に水城の東側に位置する大野城がある大城山の一角が見えてきます。
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ようやく東門跡に到着!
土塁に埋まっている施設が水城城の資料や映像を展示している「水城館」です。
ここでも続日本百名城のスタンプが押せます。
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東門の上にある展望台に上っていきます。
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そこそこの高さがあります。
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展望台から見下ろす水城。
東門の部分はそのまま道路で分断されてますね。
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展望台にある解説板。
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展望台付近にある「南無妙法蓮華経」と書かれたお墓?
どなたのお墓かは不明でした。
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展望台遠景。
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水城館で休憩&映像を視聴させてもらいました。
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こちらは東門の跡。
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東門の北側(博多側)からのショット。
おそらく、水城といえばこのアングルの写真が最も多いのではないでしょうか?
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東門の並びは博多に至る官道になっていました。
博多の港は当時諸外国と行き来する窓口になっていたので、大和朝廷と世界をつなぐ交通拠点であったと言えます。
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東門跡には木樋といって大宰府側の内堀と博多川の外堀との間をつなぐ水道パイプのようなものが作られていました。
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この木樋は復元です。
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ここは木樋の取水口となっていた部分です。
写真ではただの窪みにしか見えないと思うので、下の図解をどうぞ。
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以上で散策終了!元来たルートをたどって水城駅へ。
とにかく良く歩きました。

<公式パンフレット>
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■城データ
  • 城名        水城<続日本百名城No.182>
  • 種別        築堤
  • 登城日       2019年1月26日(土)
  • 住所        福岡県太宰府市国分二丁目17-10(水城館)
  • 電話番号      092-555-8455(水城館)
  • スタンプ設置場所  水城館・JR水城駅
  • 公式HP      大野城市公式HP
  • 入場料       無料
  • 駐車場       無料
  • 所要時間の目安   90分程度(断面広場~水城館)
  • 混雑度       小
  • 注意点       特に無し
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★★★★☆(大野城・小水城を含めれば鉄壁)
  • 歴史に浸れる度   ★★☆☆☆(歴史を勉強してから行くと良いでしょう)
  • 他では見れない度  ★★★★★(他の城郭とは一線を画しています)
  • 総合評価      ★★★☆☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★★☆☆(福岡市内から近いです)
  • 登城のしやすさ度  ★★☆☆☆(結構歩きます)
  • 分かりやすさ度   ★★★☆☆(解説や資料館など充実しています)
  • 景観度       ★☆☆☆☆(ほとんどありません)
  • 女性と行ける度   ★☆☆☆☆(太宰府天満宮とセットで許してもらいましょう)
  • 総合評価      ★★☆☆☆

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