芥川山城 ~初の天下人・三好長慶の居城

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■概要

四国から進出し、畿内を抑えて日本で初めて天下人となった三好長慶が本拠を置いた城です。
元々は、この辺り一帯を治めていた能勢氏が築いた城です。

後に室町幕府管領となる畿内の有力者・細川晴元が入城しましたが、晴元は家臣であった三好長慶の下克上により畿内を追われ、三好長慶が入城し、畿内支配の本拠地とします。

長慶が没した後は、織田信長によって攻め取られ、芥川山城は摂津三守護の一人であった和田惟政に与えられますが、惟政は高槻城に本拠を移し、その後和田氏が高山氏(友照、右近父子)によって滅ぼされたのを機に廃城となります。

■見どころ

飯盛山城と並び大阪で最大規模の城跡と言われておりますが、北西南の三方向を芥川に囲まれ、標高183mの急峻な山頂に築かれた堅固な防御型の山城です。

周りは摂津峡と呼ばれる大阪では数少ない景勝地となっており、この辺りに向かう観光客はほとんど摂津峡目当ての人で、芥川山城に行く人は稀です。

しかし、天下人三好の本拠地だけあって非常に立派な山城で、石垣などの遺構も十分に残っています。
あまり知られていないのが非常にもったいないと感じました。

ちなみに、芥川山城は敷地のすべてが私有地で、山頂付近以外はほとんど整備されておらず、山頂に向かう途中はちょっとした登山になります。

初の天下人となった三好氏による支配と畿内に進出する次の天下人・織田信長との攻防の歴史に思いを馳せながら登城してみましょう。

<公式パンフレット(というかただの地図)>
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■写真&散策記

ナビに「芥川山城」と入れてもおそらく出ません。
「摂津峡」と入れて向かいましょう。
高槻市の市街地を亀山方面に少し走ると大阪とは思えないのどかな風景が見えてきます。

摂津峡に折れる看板が出てきますので、左に行くとすぐに「上の口駐車場」があります。
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駐車料金は看板の近くにある漁業協同組合で購入します。
こんな山の中に「漁協」があることに違和感。。
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こちらが「上の口駐車場」です。
地元の人たちは「漁協さんとこの駐車場」と呼んでいます。

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管理人ははじめここより奥の摂津峡の近くまで行ってしまったのですが、ノーヘルの原付のおっちゃんが追いかけてきて「どこ行くの?」と言われ「芥川山城」というと「どこそれ?」「そんなとこ行く人おれへんよ」「摂津峡で遊んで行ったら?」と散々言われましたが、芥川山城に行きたいことを強く訴えたら「あー三好山のことか?あそこやったら漁協さんのとこの駐車場やな」と言われ、戻ってきました。
(このあたりの人には「芥川山城」という名前は通じないようです。みんな「三好山」と呼んでました)

ちなみにこのあたりの原付は皆ノーヘルです。ほんまに大阪か?ココ。。

記を取り直して上の口Pから芥川山城の入り口に向かい、登城スタートです。
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山頂までの大まかなルートが書いてあります。
確かに山頂は「三好山」とあります。
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こちらは分かりにくい縄張り図。
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草木の生い茂る民家の横を突っ切っていきます。
あまりの整備度の低さに徐々に不安になってきます。。
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少し歩くとようやくハイキングロードのようなところに出ます。
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摂津峡の切り立った崖に虎ロープでガードしただけの道です。
結構怖いです。
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下は摂津峡(芥川)の急流です。
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雨が降った後なのか湿った地盤の上に土嚢が積まれたうえを通って登っていきます。
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倒木?伐採?
木が倒れてきそうな下を抜けていきます。
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本当に道合ってるのか?と不安になってきたところでようやく道端に石垣が見えてきます。
ここが曲輪の最下段に位置するようです。
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三好山は右へ行くようです。
看板が小さくて心もとない。。
ちなみに芥川山城の案内表示は山頂付近を除き、ほとんどビニールテープにマジックです。
(私有地なので仕方ないか)
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土塁で出来た虎口のようなところを通過していきます。
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倒れた巨木の切り株に「台風21号」のビニールテープが貼られています。
台風で倒木したのでしょう。
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堅土塁と呼ばれる大規模な土塁群を通過していきます。
歩いている後ろ姿は管理人です。
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斜面を一直線に下る堅土塁と呼ばれる珍しい遺構です。
「登り石垣」の昔バージョンです。
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土橋を渡っていきます。
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土橋を渡るとここも土塁で作られた虎口のようになっています。
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ようやく城跡碑が!と思いきや「城山城」?
芥川山城のことで合ってんのかな?と少し不安になりながら道を進みます。
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ようやく景色が広がってきます。
青々とした新緑の山に少しほっとします。
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三好山行きの綺麗な看板が出てきます。
「芥川山城」とか「城山城」とか「三好山」とか名前を統一してほしい。。
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主郭御殿下の曲輪と思われます。
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富士山登頂記念?山の所有者の方のもの?
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ようやく本丸に到着します。
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こちらは三好長慶が祀られた祠。
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三好長慶をバックに高槻市街地が広がっています。
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麓のやつより分かりやすい縄張り図。
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帰りに切り株のうえで記念撮影。
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今度は大手道の方に向かいます。
「下り一部キツイ」と書かれています。
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急な階段を下りていきます。
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大手門の石垣が見えてきます。
曲輪群の小ぶりの石垣と異なり、ゴツゴツと大きな石が積まれた迫力ある石垣です。
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芥川山城の大手門石垣は来城者に三好家の威厳を見せつける意味合いが強かったと言われています。
城で威厳を見せるのは同じく天下人となった信長、秀吉と続いていきますが、三好による芥川山城が走りとなっています。
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帰りながら亀山(丹波)方面へ向かう間道に寄り道すると、ここでも大規模な石垣群が見られます。
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再び上の口駐車場方面へ戻って帰路へ。
しつこいですが、後ろ姿は管理人です。
草木が生い茂っているのがお分かりかと思います。
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■城データ
  • 城名        芥川山城(あくたがわやまじょう)<続日本百名城No.159>
  • 種別        山城
  • 登城日       2018年5月27日(日)
  • 住所        大阪府高槻市大字原
  • 電話番号      072-688-0224(芥川漁業協同組合:ナビ用)
  • スタンプ設置場所  高槻市立しろあと歴史館(入城無料:9時~17時)
  • 公式HP      高槻市公式HP
  • 入場料       無料
  • 駐車場       有料・1000円(上の口駐車場:芥川漁業協同組合付近)
  • 所要時間の目安   180分程度
  • 混雑度       小
  • 注意点       地盤が悪いところを通るため、必ず登山の服装で!
  ※管理人が登城時の情報です。登城の際は必ず公式HPで最新情報をチェックして下さい。

■管理人の勝手な評価

~城として~
  • 難攻不落度     ★★★★☆(教科書通りの堅固な山城です)
  • 歴史に浸れる度   ★★★★☆(あまり知られてませんが三好氏の本拠地です)
  • 他では見れない度  ★★★☆☆(立派な山城です。百名城でも良かったのでは?)
  • 総合評価      ★★★★☆
~行楽地として~ 
  • アクセス性     ★★☆☆☆(大阪市街地からも少し離れてます)
  • 登城のしやすさ度  ★★☆☆☆(ちょっとした登山です)
  • 分かりやすさ度   ★☆☆☆☆(解説はほぼ無い)
  • 景観度       ★★★★☆(山頂からの景色は最高)
  • 女性と行ける度   ★★☆☆☆(摂津峡メインなら・・・)
  • 総合評価      ★★★☆☆

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