■概要
河内(大阪東部)と大和(奈良)を結ぶ交通の要衝に築かれた広大な山城。はじめ当地の守護代・木沢長政が築城し、その後三好長慶に大和一国の支配を任されていた天下の大悪党・松永久秀が本拠地とし、防御性に乏しいこの城の大規模な改修・強化を行った。久秀は主である三好長慶の死後、筒井順慶・三好三人衆に攻められて一旦は信貴山城を奪われるが、即座に信長に臣従し、信長の援軍でもって信貴山城を奪還する。その後、久秀は信長に反旗をひるがえし、信貴山城に籠城するが、信長の大軍に攻められ自刃して落城(信貴山城の戦い)。後世の創作だが、落城の際に、久秀の能力をかっていた信長は、茶人としても有名だった久秀に「家宝の茶器・平蜘蛛を差し出せばゆるす」と降伏勧告をしたものの、久秀が抵抗して平蜘蛛の中に爆薬を詰めて爆死した話が有名。その後廃城となる。
■見どころ
本丸跡は、毘沙門さんを祀っている朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)の境内の最も高いところにある「空鉢護法堂」というところになります。朝護孫子寺は「テーマパークのようなお寺」といわれるほどおびただしい数の仏閣や迷路のような参道が張り巡らされており、一日中過ごせそうな、いかにも関西らしいお寺です。仁王門付近の駐車場に車を停められますので、ここが散策開始地点になるかと思います。
空鉢護法堂へはお寺の入り口である仁王門から階段をずーっと登って標高433mの山頂まで行くので、結構ハードです。なお、空鉢護法堂へ行く際は、本堂付近の水屋とよばれるところにあるポットの水を持っていくとご利益があるそうなので、少し重いですがぜひ持っていきましょう。
433mの山頂から眺める景色は松永久秀が眺めた景色と同じです。
おそらく信貴山城の戦いにおいて、攻め寄せる信長の大軍をここから眺めたに違いありません。
たっぷりと歴史に思いを馳せましょう。
本丸のある空鉢護法堂から、本堂の反対側に少し下ったところに「信貴山城跡碑」があり、二の丸跡だったとされています。
<信貴山城跡碑のある二の丸跡>
二の丸からさらに下ったところに広大な松永久秀屋敷跡があります。
遺構は他にもいっぱいありますが、案内が少なく迷ってもいけないので、このあたりまで行って再び元来た道を戻られるのがおススメです。
- 登城日 2017年5月14日(日)
- 住所 奈良県平群町信貴山2280-1
- 電話番号 0745-72-2277(朝護孫子寺)
- 公式HP 朝護孫子寺公式HP
- 入場料 無料
- 駐車場 有料
- 所要時間の目安 180分程度
- 混雑度 中
- 注意点 トレッキングに適した格好で。
~城として~
- 難攻不落度 ★★☆☆☆(一応山城ですが、実力は未知数です)
- 歴史に浸れる度 ★★★★☆(大悪党・久秀と同じ景色を眺めましょう)
- 他では見れない度 ★☆☆☆☆(シンプルな山城かと)
- 総合評価 ★★☆☆☆
- アクセス性 ★★★☆☆(大阪市内からまあ近いです)
- 登城のしやすさ度 ★★☆☆☆(中程度のハイキングです)
- 分かりやすさ度 ★☆☆☆☆(解説は少なく分かりにくい)
- 景観度 ★★★★☆(山頂からの展望は良いです)
- 女性と行ける度 ★★★☆☆(朝護孫子寺の参拝メインで)
- 総合評価 ★★★☆☆
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